確定申告にコツはあるのか

 

とある4コマ漫画家さん、2023年分の確定申告を終えた様子を4コママンガにしていました。
そこに書いてあった申告書作成のコツについてツッコんでみます。

 

10万円以上のもの、買わない？

確定申告書をスムーズに作成するため、10万円以上のものは買わないと決めているとか。
なるほど、減価償却の対象になる資産を買わないということですね。

しかしこれ、「青色申告承認申請書」を提出することで回避（？）が可能です。
30万円未満の買い物は、買って使った年に、全額必要経費になりますから。

売上が1000万円超えると申告が一気に面倒に？

この漫画家さんのお知り合いの漫画家さん曰く
「（収入が）1千万超えると一気に申告が面倒くさくなる」
のだそうです。
おそらくは消費税のことを言っているのだと思いますが。。
（2021年の売上が1000万円を超えると、2023年は消費税の申告・納税が必要になる）

実際はどうか。
2023年10月にインボイス制度が始まったことで、多くの漫画家は収入金額にかかわらず、消費税の申告・納税が必要になったのではないでしょうか。
そうなれば「1千万円超え」ないように…は、過去の話です。

常識のアップデート

昨今の物価高ムードを考えると、パソコン10万円以下…というのはもうすぐ終了かもしれません。
収入1千万円いかないように…なんて考えていると、よい仕事も受けづらくなるかもしれません。

もちろん上のお二人はこれでまったく問題がないかもしれません。
問題なのは、他の漫画家さんには当てはまらない可能性があること。
もちろん「同じフリーランスだから自分にも当てはまりそう」と考えてはダメです。
10万円、1000万円をボーダーラインとする根拠は何なのか。
それを知らずに取り入れてはダメです。

Writer｜田中雅樹（税理士）

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です。
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案する。
●山梨県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』を担当（2019年4月～）
●FM-FUJIラジオ出演（1年に1回ペース）、ブログは毎日。