「課税事業者届出書」と「課税事業者選択届出書」の違い ― 間違えて提出するとちょっと悲劇になる話
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消費税の届出書の中でも、名前がよく似ていて混乱しやすいものがあります。
それが
- 課税事業者届出書
- 課税事業者選択届出書
です。
税理士でもたまに「どっちだっけ?」となることがある書類…
いやさすがに税理士は混乱しませんが、
この2つ、意味はまったく違います。
そして、もし間違えて提出すると、ちょっとした悲劇が起きることもあります。
「課税事業者届出書」とは
これはシンプルで、
「課税事業者になりました」という報告の届出
です。
例えば次のようなケースです。
- 基準期間の課税売上高が 1,000万円超 になった
- 特定期間判定で 課税事業者になった
この場合、事業者は自動的に課税事業者になります。
提出しなくても課税事業者にはなる
のですが、税務署に状況を知らせるために
「課税事業者届出書」を提出します。
ポイントはここです。
👉 課税事業者になるかどうかは、この届出で決まるわけではない
あくまで「報告」です。
(提出しないでいると、税務署から電話が来ることもあります)
「課税事業者選択届出書」とは
こちらは全く違います。
自分の意思で課税事業者になる届出です。
本来は免税事業者だけど
- 仕入税額控除を使いたい
- インボイス登録したい
などの理由で
「課税事業者になります」と選択する
ための届出です。
この届出、実は怖いポイントがある
課税事業者「選択」届出書には、重要なルールがあります。
それは
2年間はやめられない
という点です。
出した→やっぱりやめたい
と思っても
原則2年間は課税事業者のままになります。
実務で起きる「小さな悲劇」
たまにあるのが、こんなケースです。
本当は
「課税事業者届出書」
を出すつもりだった。
(課税売上1,000万円超で課税事業者になるため)
しかし、名前が似ている
「課税事業者選択届出書」
を提出してしまった。
するとどうなるか。
本来は
自然に課税事業者になるだけだったのに、
「自分で課税事業者を選択した」扱い
になってしまいます。
結果として
2年間やめられない縛りが発生します。
しかも、実は意味がないことも
さらに微妙なのは、
すでに売上1,000万円超で課税事業者になる場合、
選択届出書は実務的にほぼ意味がない
という点です。
ただし
「2年縛り」だけは残る
という、なんとも言えない状況になります。
消費税の届出書は名前が似すぎている
消費税の届出書は、似た名前が多いことで有名です。
例えば
- 課税事業者届出書
- 課税事業者選択届出書
- 簡易課税制度選択届出書
- 簡易課税制度選択不適用届出書
など。
税理士でも油断すると間違えそうになる…
ことはさすがにありませんが、
間違えないように目をカッと見開いて、
届出書の名称を確認してみてください。
まとめ
「課税事業者届出書」と「課税事業者選択届出書」の違いをまとめると
| 書類 | 意味 |
|---|---|
| 課税事業者届出書 | 課税事業者になったことの報告 |
| 課税事業者選択届出書 | 自分の意思で課税事業者になる |
名前は似ていますが、性質はかなり違います。
もし間違えて提出すると、
「2年間やめられない課税事業者」
という状況になる可能性もあるため、届出書の名前はしっかり確認しておきたいところです。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

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