資格があるのに営業ができない? 税理士が抱える「もう一つの壁」
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税理士というと、「資格さえ取れれば安定」「独立すれば自由に仕事ができる」──そんなイメージを持たれることが少なくありません。
私自身、資格取得を目指して勉強していた頃には、「営業」のことなどあまり意識していませんでした。
けれど、いざ開業してみると、まず最初にぶつかったのが、
「仕事、どうやって取るの?」という壁。
資格を取れば自然と相談が来る、なんてことはありませんでした。
■ 資格があっても仕事は自動的には来ない
税理士になるまでには、長い時間と努力が必要です。
ところが実際に開業すると、「誰からも相談されない」「そもそも自分を知ってもらえていない」という状況に直面します。
「税理士です」と名乗っただけでは、仕事は来ません。
これは営業の世界ではごく当たり前のことなのかもしれませんが、私にはかなりショックでした。
■ 営業が苦手な人の共通点
営業が苦手だと感じている方には、次のような共通点があるように思います。
- 自分を売り込むのが恥ずかしい
- 何を話せばいいか分からない
- 比較されることにプレッシャーを感じる
私自身、「口下手なタイプ」だと思っているので、営業にはどこか苦手意識がありました。
ただそれは、よくよく考えると「嫌われたくない」とか「断られたくない」といった感情の裏返しでもあるんですよね。
■ とはいえ、営業は避けられない
どんなに税務に詳しくても、それを知ってもらえなければ依頼にはつながりません。
しかも、税理士業界では「誰に相談するか」が比較される世界。
資格があることは前提であり、「この人に頼みたい」と思ってもらえるかがすべて。
開業後、私はこの現実に向き合わざるを得ませんでした。
■ 「営業が苦手」でもできること
私は営業の達人ではありません。
けれど、そんな自分なりに少しずつできることを探してきました。たとえば──
・ブログやSNSで発信する
「こういうとき、どうすればいいの?」という声なき声に応えることで、専門性を知ってもらう機会になります。
売り込みではなく、情報発信なら、私でも無理なく取り組めます。
・紹介をもらいやすい関係づくりを意識する
銀行や士業など、仕事上のつながりから「話しやすい人」と思ってもらえるよう心がけています。
実際、最近では紹介のお話も少しずつ増えてきました。
・すぐに結果を求めない
断られても、何かのきっかけで再び声がかかることもあります。
一度で終わりにせず、長い目で見て接点を持ち続ける意識も大事だと思っています。
■ まとめ:営業は“勝ち負け”ではない
開業して数年経った今でも、私は営業が得意とは言えません。
でも最近ようやく、「営業って、対話なんだな」と思えるようになってきました。
無理に売り込まず、困っている人に情報を届ける。
そこから「この人なら話してみたい」と思ってもらえれば、それが営業につながっていく。
そんなふうに、自分なりの営業スタイルを少しずつ見つけているところです。
■ おわりに
資格があっても仕事が来るとは限らない。
営業が苦手でも、できることはある。
これは私自身の経験ですが、もしかすると同じように悩んでいる方がいるかもしれないと思い、この記事を書きました。
税理士という仕事は、資格の先にもう一つ「壁」があります。
でも、その壁と向き合う過程こそが、きっと「この人にお願いしたい」と思ってもらえる糧になるはずです。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
帰り道、一度とおってみたいと思っていた裏道に入ってみたところ異世界転生スタート。
方向感覚を失いまして、え?こんなところにこんな立派な道があったの?と…
冷静になってから、知っている道路が異世界道路に見えただけ…ということに気付きました。
もう変な道にテキトーに入ったりしません。
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