「超富裕層課税」申告書記載例が公表― 極めて高い水準の所得に対する負担適正化措置とは?
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国税庁はこのほど、
「特定の基準所得金額の課税の特例」の記載例
を公表しました。
この制度、一般には
“超富裕層課税”
とも呼ばれています。
令和5年度税制改正で創設され、
令和7年分の所得税から適用開始です。
そもそもどんな制度?
簡単に言うと、
所得が極めて高い人に対し、一定の最低負担を求める仕組み
です。
株式の譲渡所得や配当などの分離課税所得を含めた全体の所得をベースに、
一定の計算式で税額を再計算します。
いわば、
“所得税のミニマムタックス”
のようなものです。
今回公表されたもの
国税庁が公表したのは:
- 適用判定表兼税額計算書
- 確定申告書 第一表の記載例
- 第二表の記載例
- 第三表の記載例
実務的には、
**第三表(分離課税用)**が重要です。
大事なポイント1
「確定申告不要制度」は使えない
上場株式の配当などで通常使える
確定申告不要制度
ですが、
この特例の適用がある場合は
使えません。
つまり、
すべての所得を申告書に記載する必要がある
ということです。
ここは大きな実務ポイントですね。
大事なポイント2
「確定申告書等作成コーナー」は使えない
さらに、
本特例の適用がある場合は
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」が利用できない
とされています。
→相当程度の手計算・専門的対応が必要ということですね。
対象者が限定的とはいえ、
なかなかハードルが高いものとなっています。
そして、改正予定
さらに注目すべきは、
令和8年度税制改正大綱。
予定(令和9年分から適用予定)では、
- 特別控除額
3億3,000万円 → 1億6,500万円へ引下げ - 税率
22.5% → 30%へ引上げ
これにより、対象者は
現在の数百人規模 → 数千人規模へ拡大見込み
と言われています。
実務的に見ると
この制度の本質は、
分離課税だから安心、ではない
というメッセージです。
株式譲渡や配当が中心の所得構成でも、
全体として一定水準を超えれば、
追加負担が発生します。
特に、
- オーナー経営者
- 大規模株式譲渡を予定している方
- 投資家層
は影響を受ける可能性があります。
まとめ
✔ 令和7年分から適用開始
✔ 確定申告不要制度は使えない
✔ 作成コーナーは利用不可
✔ 令和9年分から対象拡大・税率引上げ予定
制度としては限定的ですが、
今後の改正次第では
「他人事ではない」層が増える可能性があります。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

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今月最初の木曜日に発売となったドラクエVII reimagined。
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