青色事業専従者給与の適正額とは?開業医の事例から考える
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「妻にいくら給与を支払うのが適正か?」
個人事業者に限らず、中小企業でもよくあるテーマです。
実際に働いているのだから当然給与を出すのは良いとしても、その額が問題になるケースがあります。
実際にあった事例
開業医の先生が奥様(看護師資格あり)に 年1,800万円 の給与を支払っていました。
奥様は看護師としての業務だけでなく、事務や労務管理まで幅広くこなし、勤務時間も長い。
本人としては「十分に妥当」と思える働きぶりだったようです。
ところが、税務署はこの金額を認めず。
裁判でも「同業他者と比べると高すぎる」と判断されました。
結果として、
- 適正とされた給与:約800万円前後
- 否認された額:各年およそ1,000万円
となってしまいました。
なぜ否認されたのか?
税務で「給与が妥当か」を判断するときには、
- 同業種・同規模の事業での相場
- 他の従業員との比較
- 実際の勤務状況の記録
といった要素が重視されます。
→「よく働いているかどうか」だけではなく、世間相場との比較が大きなポイントです。
実務で気をつけたいこと
- 勤務表やタイムカードを残しておく
- 他の従業員との役割の違いを記録しておく
- 「相場」として不自然に高くならないよう調整する
といった準備が望ましいとされています。
もちろん、現実的に、そこまで完璧に記録を残すのは難しい場合も多いでしょう。
いずれにしても「高額な給与を出すと後から否認されるリスクがある」ことは、経営者として頭に入れておきたいところです。
まとめ
配偶者に給与を出すこと自体は問題ありません。
ただし「節税したいし、ちょっと高めがいいよな」などと安易に決めてはダメ。
後々、大きな追徴課税につながってしまうかもしれません。
相場感を意識しつつ、記録を残しておく。
これが否認リスクを避けるための現実的な対応です。
👉 「妻の給与はいくらが適正?」は、思った以上に奥深いテーマ。
専門家と相談しながら、無理のない範囲で設定していくことをおすすめします。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
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税理士会の支部旅行でした。
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ステーキ食べてきました。
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