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令和7年分法定調書の改正ポイント―特定親族特別控除と源泉徴収票の新ルール―

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国税庁は2025年(令和7年)9月1日、令和7年分「給与所得の源泉徴収票」など法定調書の作成・提出手引を公表しました。
今年の改正は、年末調整や法定調書を扱う会社・給与担当者にとって要チェックの内容です。


1. 特定親族特別控除が新設

まず注目は、令和7年度税制改正で新設された特定親族特別控除
これは、居住者が「特定親族」を扶養している場合に、1人あたり最大63万円を所得から控除できる制度です。

特定親族とは?

  • 大晦日時点で年齢19歳~22歳
  • 生計を一にしている親族
  • 合計所得金額が58万円超123万円以下
    (※配偶者や青色・白色事業専従者は除外)

年末調整では、従業員が提出する「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を基に控除額を計算します。


2. 源泉徴収票の記載方法が変更

特定親族特別控除に伴い、給与所得の源泉徴収票が改正されます。

  • 「控除対象扶養親族の数」が「控除対象扶養親族等の数」に変更
  • その中に**「特親」欄**が新設
  • 特定親族が居住者か非居住者か、控除額に応じた区分記載が必要

手引には区分一覧表が掲載されているため、給与担当者は要確認です。


3. e-Tax提出義務が30枚以上に引き下げ

もう一つの重要な改正が、法定調書のe-Tax提出義務基準の見直しです。

  • これまで:提出枚数が100枚以上でe-Tax提出義務
  • 令和9年1月以降:30枚以上でe-Tax提出義務

→令和7年中に作成する法定調書が30枚以上なら、令和9年に提出する際はe-Tax等での提出が必要になります。


4. 源泉徴収票の提出方法にも特例

令和5年度税制改正により、給与所得・公的年金の源泉徴収票の提出方法も簡略化されました。

  • 市町村へ給与支払報告書を提出した場合、税務署への提出は不要
  • ただし、この特例は退職所得の源泉徴収票は対象外なのでご注意を

まとめ

今回の改正ポイントは以下の通りです。

  • 特定親族特別控除の新設と源泉徴収票の記載変更
  • e-Tax提出義務の基準が「30枚以上」に引き下げ
  • 源泉徴収票提出方法の簡略化(ただし退職所得は除外)

給与担当者や経理担当者は、年末調整前に国税庁の手引を確認し、社内の手続きやシステムを早めに対応させておきましょう。

田中雅樹(税理士)

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

 

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