不動産小口化商品による節税、令和9年から規制へ
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令和8年度税制改正の中でも、相続税対策として注目されているのが
「不動産小口化商品を利用した節税の規制」
です。
これまで、この商品を使った相続・贈与の節税スキームが一定程度行われてきました。
今回は、その仕組みと税制改正の内容を簡単に整理してみます。
これまで行われてきた節税スキーム
国税庁が公表している資料(令和7年11月13日)には、次のような事例が紹介されています。
- 不動産小口化商品を購入
令和4年3月
祖父(68歳)が販売会社から 3,000万円で購入 - 孫へ贈与
令和4年8月
孫(9歳)へ 480万円で贈与
※財産評価基本通達による評価額 - 孫が売却
令和5年2月
孫が販売会社へ 約3,000万円で売却
この結果どうなるか
孫の取得価額は 3,000万円 とされるため、
売却益はほぼゼロ
となります。
結果、
時価3,000万円の財産を、480万円の評価で移転できる
という形になります。
このようなスキームが、短期間で行われていました。
従来も否認は可能だった
もちろん、これまで全く規制がなかったわけではありません。
税務上は
相続税法の「総則6項」
により否認される可能性はありました。
ただし、総則6項は
例外的に使うべき規定
とされているため、
すべての事案で適用するわけにもいきません。
そこで今回、
制度として評価方法を見直す改正
が行われることになりました。
税制改正のポイント
改正のポイントはシンプルです。
不動産小口化商品は「時価」で評価する
という内容です。
これまでのように
大幅に低い評価額で贈与することができなくなる
ということですね。
適用時期
この改正は
令和9年1月1日以後の相続・贈与
から適用されます。
上に挙げたようなスキームは
令和9年以降は成立しなくなります。
では令和8年まではどう考えるか
税制改正が決まったとはいえ、
令和8年までは現行制度のままです。
そこで、考え方としては大きく3つあります。
1. 何もしない
購入者の年齢や体況などを考え、
相続が先に発生する可能性を考慮するケースです。
2. 令和8年中に贈与だけ行う
売却はせず、
とりあえず贈与だけ先に行う方法です。
令和9年以降の贈与は改正の対象になるため、
年内に贈与しておくという考え方です。
3. 贈与と売却まで終わらせる
これまでのスキームと同様に
贈与→売却まで完了させる方法
です。
ただし、この方法は
総則6項による否認リスク
がある点に注意が必要です。
税理士目線で思うこと
こうした節税スキームは、
いつの時代も
税制改正とのいたちごっこ
です。
今回のケースでも、
- 令和8年まで:否認される可能性はある
- 令和9年以降:制度で完全に規制
という関係になります。
どこまでリスクを取るか
という判断になりますが、
節税には常に
メリットとリスク
の両方があります。
まとめ
不動産小口化商品を利用した相続対策は、
令和9年から大きくルールが変わる予定です。
今後は、
- 利回り目的の投資として考えるのか
- 相続対策としてどこまでリスクを取るのか
を冷静に判断する必要があります。
節税スキームは魅力的に見えることも多いですが、
制度改正や否認リスクも含めて検討すること
が重要です。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

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WBC準決勝の1つめは米国が勝利。
米以外の3国から優勝が出るかと思っていましたが、見る目がなかったようです。
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