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自民・維新の連立合意書をチェック──租特の廃止と「政府効率化局」設置の狙いは?

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去る2025年10月20日、自民党(高市早苗総裁)と日本維新の会(吉村洋文代表)が連立政権を組むことで合意しました。
連立合意書には12項目の政策が並び、その中でも注目したいのは「税制・経済政策」に関する部分です。


▍注目ポイント1 ガソリン税の暫定税率を早期に廃止へ

ガソリン税の暫定税率は、長らく「暫定」と言いつつ半世紀以上続いてきた制度です。
今回の合意では、この暫定税率の廃止法案を臨時国会で成立させる方針が明記されました。

物価高が続く中で、燃料価格の引下げを通じて家計・企業のコスト負担を和らげる狙いがあるようです。


▍注目ポイント2 「103万円の壁」見直しの土台づくり

所得税の基礎控除などを「インフレの進展に応じて見直す」ことも明記されています。
要するに、物価が上がる中で「壁」にあたる水準も見直すべきだ、という考えです。

これにより、かねて議論されてきた**「103万円の壁」問題の制度設計が進む**ことになります。
給付付き税額控除(所得の少ない層に税額控除+給付を行う制度)の導入も、今回初めて具体的に触れられました。


▍注目ポイント3 「租特」や補助金の総点検──“政府効率化局”を新設

今回もっともインパクトのあるのが、この項目です。

●租税特別措置および高額補助金について総点検を行い、政策効果の低いものは廃止
●そのための事務を行う主体として政府効率化局(仮称)を設置

租税特別措置(いわゆる「租特」)は、政策目的に応じて特定業種や活動を優遇する制度。
しかしその効果が見えにくく、財政コストの割に成果が乏しいものも多いと言われています。

今回の「政府効率化局」は、その“総点検”を担う組織として新設される見込みです。
片山さつき財務大臣が**「租税特別措置・補助金見直し担当相」**を兼務する点からも、本気度がうかがえます。


▍注目ポイント4 飲食料品の消費税を「2年間ゼロ」に?

合意書には次の記載もあります。

「飲食料品については、2年間に限り消費税の対象としないことも視野に、法制化を検討する。」

消費税を“時限的にゼロ”にするというインパクトの大きい案です。
ただし、軽減税率制度との整合性や事務負担など課題も多く、実現までには相当な議論が予想されます。


▍まとめ──“効率化”と“公平性”を軸にした税制へ

今回の連立合意では、派手な給付政策を抑え、**「制度の見直し」「財政の効率化」**を前面に出しています。
租特の廃止やインフレ対応型の控除見直しは、いずれも「税制の再設計」に踏み込む動き。

年末に公表となる税制改正大綱では、これらの方向性がどこまで具体化されるか──
税理士としても、引き続き注目しておきたいところです。


📝筆者コメント

今回の合意は「減税」よりも「構造の整理」がテーマ。
“税を使ってバラまく”から、“税の仕組みを見直す”へ──
政治の空気が少しずつ変わりつつあるように感じます。

田中雅樹(税理士)

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

 

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