中小企業の「デジタル化」に新たな追い風か?──「スマート青色申告制度」構想とは
スポンサーリンク
ここ数年、国税庁は「税務手続のデジタル化」を積極的に進めています。
たとえば、e-Taxの普及、電子帳簿保存法の改正、インボイス制度の電子対応などがその代表例です。
でも実際の現場からは、「パソコン操作が苦手」「会計ソフトは導入したけど使いこなせていない」といった声がまだまだ多く聞かれます。
日本商工会議所が行った調査によると、売上高1,000万円以下の小規模事業者のうち、
●帳簿作成を手書きで行っている割合が38%
●請求書作成も手書きが44%
という結果でした。
「デジタル化が進んでいない層」が一定数いるのです。
■ 新しい提案:「スマート青色申告制度(仮称)」
こうした現状を踏まえ、日本商工会議所(日商)や新経済連盟などの経済団体は、大胆なインセンティブ付きの新制度を提案しています。
その名も「スマート青色申告制度(仮称)」。
内容としては、
1️⃣ 会計ソフトなどデジタルツールで記帳・帳簿を作成し、
2️⃣ e-Taxで申告を行う個人事業主
に対して、税務上の優遇(インセンティブ)を与えるというもの。
つまり、「デジタルで完結する青色申告」をより評価する制度です。
これが実現すれば、従来の「複式簿記をつけているから青色申告ができる」という枠を超え、「デジタルで効率よく経理・申告している人ほど報われる」仕組みになるかもしれません。
■ 背景にあるのは「中小企業の生産性向上」
中小企業や個人事業主は、大企業に比べるとどうしても労働生産性が低いと言われます。
その原因の一つが、「手作業の多さ」「紙ベースの業務の多さ」。
たとえば請求書の発行や経費の集計を手作業で行っていると、どうしてもミスが増え、時間もかかります。
デジタル化を進めることで、「経理の正確さ」「スピード」「データの活用」が格段に高まることが期待できます。
■ 経営者へのメッセージ
「デジタル化」と聞くと構えてしまう方も多いかもしれません。
ですが、最初の一歩は小さくて構いません。
・レシートをスマホで撮る
・クラウド会計を少しずつ使い始める
・請求書を紙からPDF発行に変える
これだけでも、経理の負担は少しずつ減っていきます。
国全体でも、デジタル化を進める方向に舵を切っています。
今後、こうした制度が整えば、「デジタルに取り組むことが、そのまま節税にもつながる」時代が来るかもしれません。
■ まとめ
中小企業や個人事業主の「デジタル化」は、もはや避けては通れません。
国の制度も、経済団体の提言も、同じ方向を向いています。
会計ソフトの導入やe-Taxの利用は、ただの“手間”ではなく、これからのビジネスの基盤になる“投資”です。
「デジタルを活かして、税引き後のお金を増やす」──
そんな考え方が、これからの時代のスタンダードになっていくでしょう。
まずは手書きからの卒業、ですね。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
新たな連立政権が樹立。
これでほぼ総理大臣も確定なのでしょう。
今後気になるのは、経済に関すること、税に関すること。
後者に関しては、連立与党以外の要望も入ってくることも有り得ますから、より一層複雑になりそうですね。
ブログのネタには事欠かないかもしれませんが。
(なんて書きつつ、ネガティブには受け取っていません)
今日のラジオ
●プチ鹿島のラジオ19xx
●マキタ課長ラジオ無尽
●髭男爵山田ルイ53世のルネッサンスラジオ