日商が令和8年度税制改正に意見表明 ― 中小企業の事業承継やIT投資を後押しへ
スポンサーリンク
日本商工会議所(日商)は、9月17日、「令和8年度税制改正に関する意見」を公表しました。
内容は、中小企業の 事業承継やデジタル化支援、インボイス制度の負担軽減 など、多岐にわたっています。
今回はそのポイントを整理してみましょう。
事業承継税制の恒久化を求める
中小企業にとって、事業承継(後継者への引き継ぎ)は永遠の課題。
日商は、現在の特例が終了してしまうと大きなマイナスになると指摘し、以下のような拡充を求めています。
- 対象株式を全株式まで拡大
- 相続時の納税猶予割合を80%→100%に
- 後継者を最大3人まで認める
- 雇用確保要件を緩和
- やむを得ない事情があれば免除
→「実質的に恒久化してほしい」という意見です。
少額減価償却資産の特例に「IT導入枠」を
現在は30万円未満の資産を一括経費にできる「少額減価償却資産の特例」。
日商はこれを拡充してほしいと提案しました。
- 上限金額の引き上げ
- ITやデジタル化に資する資産については、金額制限なしで即時償却できる「IT導入枠」を新設
→中小企業のデジタル投資を後押しする、という狙いですかね。
従業員への待遇改善も
- 食事補助の非課税枠の引き上げ
- マイカー通勤手当の非課税限度額の引き上げ
(…は、実現しそう)
といった、従業員の生活を支える措置も求めています。
自動車通勤の通勤手当、非課税限度額が引き上げへ【人事院勧告2025】
インボイス制度の負担軽減措置の延長
令和8年9月で終了予定の2つの軽減措置について、延長を要望しています。
- 免税事業者からの仕入に係る負担軽減措置
- 免税事業者が課税事業者になった際の納税負担軽減措置
(おそらく「2割特例」のことでしょう)
制度が始まったばかりで負担が重い事業者に配慮してほしい、という立場です。
(2割特例は延長してほしいとワタシも思っております)
個人事業主向け「スマート青色申告制度」
個人事業主の多くがまだ手書き帳簿や白色申告をしている現状を踏まえ、日商は次の提案をしています。
- デジタルツールで記帳し
- かつe-Taxで申告した人に対して、青色申告特別控除(最大65万円)をさらに上乗せ
「デジタル化へのインセンティブ」を税制でつけようという内容です。
まとめ
今回の日商の意見は、
- 事業承継を支える税制の恒久化
- デジタル投資やIT導入の促進
- インボイス制度への配慮
- 個人事業主のデジタル化支援
といった点が大きな柱になっています。
ふだん、中小零細の事業者に接する機会が多い商工会(商工会議所)らしいものですね。
(概ね賛成です)
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
曇りがちで涼しい一日でした。
ところで、「Note」(No+e)を始めようと思います。
有料です。
読者ゼロで終わるかもしれませんが、やってみようと思います。
今日のラジオ
●東京ポッド許可局
●プチ鹿島のラジオ19xx
●マキタ課長ラジオ無尽
●佐久間宣行のオールナイトニッポン0
●キタニタツヤのオールナイトニッポン0