年始の支出、経費になる?ならない?― 初詣・年始挨拶・新年会・仕事始めの食事 ―
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年が明けると、仕事に関連してさまざまな支出が発生します。
「これは経費になるのか?」と毎年モヤっとする方も多いのではないでしょうか。
今回は、年始にありがちな4つの支出について、税務上の考え方を整理します。
1. 初詣の費用は経費になる?
結論から言うと、原則として経費にはなりません。
初詣は、たとえ「商売繁盛祈願」であっても、
税務上は 私的行為(宗教的・慣習的行為) と判断されます。
- 交通費
- お賽銭
- お守り・お札代
いずれも 事業との直接的な関連性が弱いため、必要経費にはなりません。
※法人が会社行事として行う場合でも、基本的な考え方は同じです。
2. 年始挨拶の手土産は経費になる?
こちらは 内容次第で経費になります。
取引先への年始挨拶に伴う手土産は、
事業関係者との関係維持を目的としたものとして、
「交際費」として処理されるのが一般的です。
ポイントは以下のとおりです。
- 取引先・顧客向けであること
- 社会通念上、過度でない金額であること
- 私的な贈答と区別できること
社内向けや家族向けの手土産は、経費になりません。
3. 新年会の費用は経費になる?
新年会は、誰が参加するかで扱いが変わります。
- 取引先が参加する新年会
→ 交際費 - 従業員のみの新年会
→ 福利厚生費(要件を満たす場合)
福利厚生費として認められるためには、
- 全従業員または広く参加対象になっている
- 特定の役員・一部社員だけの会ではない
といった点が重要です。
役員だけの新年会は、福利厚生費にはなりません。
4. 仕事始めの食事は経費になる?
「仕事始めの日のランチ」「仕事前の決起会」などは、
原則として経費にはなりにくいです。
- 通常の食事 → 生活費
- 仕事が絡んでいても、日常的な飲食は私的支出と判断されがち
ただし、
- 取引先との打合せを兼ねた食事
- 明確に業務目的が説明できる会食
であれば、交際費として処理される余地はあります。
まとめ|年始の支出は「目的」と「相手」で判断
年始の支出は、気分的には仕事に関係していそうでも、
税務上は意外とシビアです。
- 初詣 → 原則NG
- 年始挨拶の手土産 → OK(交際費)
- 新年会 → 内容次第
- 仕事始めの食事 → 原則NG
「年始だから」「縁起がいいから」ではなく、
事業との関係性を説明できるかが判断のカギになります。
年明けの処理で迷ったら、
「これは誰のため・何のための支出か?」
を、一度立ち止まって考えてみましょう。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
昨晩「Stray」というSwitchソフトをポチリとしました。
家族とはぐれてしまった猫を操作して、家族の元を目指すゲームです。
クリア時間8時間ほどだそうですが、評価は高め。
楽しみです。
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