年末調整の「調書方式」って?──住宅ローン控除での留意点を解説
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2025年10月、国税庁から「令和7年分の年末調整」に向けた調書方式による住宅ローン控除の留意事項が公表されました。
この「調書方式」は、従来の「証明書方式」とは少し仕組みが異なるため、給与担当者や納税者の双方に注意が必要です。
🔸「証明書方式」と「調書方式」のちがい
従来の「証明書方式」では、住宅ローンを組んだ金融機関から年末残高証明書が交付。
それをもとに年末調整で住宅ローン控除を行っていました。
一方、「調書方式」では、税務当局が金融機関から情報提供を受ける仕組みに変わります。
→納税者本人が証明書を提出しなくても、国税側で住宅ローン残高の情報を把握できるようになるわけです。
🔸控除証明書等の交付時期が変わる!
この仕組みの違いにより、控除証明書の交付時期も変わります。
- 調書方式の場合
●電子交付:毎年11月中旬ごろ、e-Taxのメッセージボックスに交付
●書面交付:入居2年目の11月下旬ごろ、以降分をまとめて郵送 - 証明書方式の場合
●金融機関から毎年10月~11月ごろに交付される(従来どおり)
→調書方式では控除証明書の入手が少し遅めになります。年末調整のスケジュール管理には注意が必要です。
🔸書面で提出する場合の注意点
調書方式に該当する従業員が、紙の控除証明書を提出する場合には、「備考」欄に
「調書方式に対応する金融機関からの借入れ」
といった旨を従業員自身が記入する必要があります。
また、原則として控除証明書には年末残高がすでに記載されていますので、年末残高証明書の添付は不要です。
🔸勤務先が電子交付に対応していない場合
勤務先がe-Taxの電子交付に対応していない場合は、従業員が自分で
「QRコード付証明書等作成システム」(国税庁サイト)
を使い、控除証明書を出力・提出する流れになります。
🔸まとめ:2025年の年末調整は“仕組みの転換点”
令和7年分(2025年分)の年末調整は、まさに**「調書方式」元年**といえます。
証明書の交付時期や提出方法がこれまでと異なるため、事前に社内で周知しておくことが重要です。
税理士としても、クライアント企業からの「いつ証明書が届くの?」「どっちの方式か分からない」といった相談が増えることが予想されます。
今年の年末調整では、早めの確認と準備を心がけましょう。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
北風が涼しいながらも真夏日。
ジワリと汗がにじむ日でした。
先週末の支部旅行がまぁ楽しかったこともあり、たまに思い出し笑いなど。
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