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【国税庁質疑応答】贈答品の送料は交際費になる? ― 贈答に係る「送料」の取扱いを整理 ―

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2025年12月3日、国税庁から新たな「質疑応答事例」が公表されました。
今回取り上げるのは、交際費等の範囲に「贈答品の送料」が含まれるかという、実務で意外と迷いやすい論点です。

結論から言うと、
👉 贈答品に係る送料も「交際費等」に該当する
と整理されています。


■ 事案の概要

まずは、照会内容を簡単に整理します。

  • 照会法人は、
    得意先である A社との親睦を深め、取引関係を円滑に進める目的
    A社の役員に対し、贈答品Xを贈っている
  • 贈答品Xの購入費用については、
    すでに 交際費等に該当するとして処理している
  • 贈答品Xは、
    運送会社を利用して引き渡しているため、送料(運送費用)が発生
  • この 送料も交際費等に該当するか が問題となった

■ 国税庁の結論

国税庁の回答は明快です。

本件送料は、交際費等に該当する

とされています。


■ 理由の整理(なぜ送料も交際費なのか)

国税庁は、次のような考え方を示しています。

交際費等の定義

交際費等とは、

法人が、
得意先・仕入先その他事業に関係のある者等に対し
接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為のために支出する費用

をいいます(措置法61条の4第6項)。


贈答品の購入費用は交際費等

本件の贈答は、

  • 得意先との親睦を深め
  • 取引関係の円滑な進行を図る目的

で行われているため、
贈答品Xの購入費用は交際費等に該当することに争いはありません。


送料も「贈答のための支出」

国税庁がポイントとしているのはここです。

  • 送料は、
    贈答品Xを相手に届けるために不可欠な費用
  • 贈答行為と切り離して考えることはできない

そのため、

贈答品の購入費用と同様に、
送料も贈答のために支出した費用であり、交際費等に該当する

と整理されています。


■ 実務上のポイント

この事例から、実務で押さえておきたいポイントは次のとおりです。

● 「付随費用」も含めて考える

  • 贈答品の代金だけでなく
  • 送料・包装費・配送手数料など

👉 原則として、贈答に付随する費用は交際費等に含まれる


● 勘定科目を分けても結論は変わらない

会計上、

  • 贈答品:交際費
  • 送料:運賃

と科目を分けていても、
👉 税務上は交際費等として判定される点に注意が必要です。


● 交際費の限度額管理に影響

  • 中小法人の年間800万円限度
  • 大法人の全額損金不算入

など、
交際費等の限度額の判定に送料も含まれるため、
金額が積み上がるケースでは影響が出ることがあります。


■ まとめ

今回の国税庁質疑応答事例のポイントを整理すると、

  • 贈答品の購入費用が交際費等に該当する
  • その贈答のために支出した送料も贈答行為と一体の費用として交際費等に該当する

という結論です。

「送料だから交際費ではない」と安易に切り分けず、
贈答との関係性を踏まえて判断することが重要といえるでしょう。

田中雅樹(税理士)

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

 

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