ニガテを “半分、強い” に。山梨県中央市の税理士

強引な税務調査に備える方法──「録音」は違法じゃない!

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税務調査の現場で「ちょっとその言い方はひどいな…」と感じた社長、いるかもしれません。

実際、税務調査官の対応や発言が問題になるケースは少なくありません。
ただ、その瞬間のやり取りをあとから証明するのは、とても難しいものです。


◆ 録音しても大丈夫?

「録音しておけばよかった…」
と後で思うことはあっても、実際に録音している人はほとんどいません。
理由は簡単──
まさかそんなことに…ということと、
「録音するのはやり過ぎ(≒違法)ではないか」
と、どこかで思っているからです。

しかし、相手に黙って録音しても違法ではありません。

法律上、「秘密録音」と呼ばれるこの行為は、最高裁(平成12年7月12日決定)でも次のように判断されています。

一方の当事者が相手方との会話を録音することは、
相手の同意がなくても違法ではない。

自分が会話の当事者であれば録音OKということです。


◆ 「証拠」として使えるの?

「秘密録音した音声って証拠になるの?」と思うかもしれません。
大丈夫、証拠能力はあります。

昭和52年の東京高裁の判決では、
「人を拘束するなどの反社会的な方法で録音したのでなければ、証拠として認められる」
としています。

普通に調査の場で録音している限り、問題になることはほぼありません。


◆ 税務調査で実際にどう使えるの?

税務調査では、調査官の発言が後日トラブルになることがあります。
たとえば──

  • 「言った・言わない」の食い違い
  • 納税者に不利な発言を誘導された
  • 高圧的な言動があった

こういった時、録音データが「事実関係を確認する証拠」になります。


◆ 実際の裁判例でも認められています

有名な「北村事件(京都地裁 平成12年2月25日判決)」では、納税者が税務調査の様子を録音・撮影していました。

裁判所は次のように判断しています。

違法な調査を受けた納税者が、再度の被害を防ぐために
録音・撮影を行うことには「やむを得ない面がある」。

録音行為そのものは違法ではなく、むしろ正当な防衛手段と考えられています。


◆ 「税務調査官の権限」も万能ではない

税務調査官には「質問検査権」という権限がありますが、それは犯罪捜査のためのものではありません。
納税者には、応じなくてもよい範囲や、拒否できる権利もあります。

高圧的な態度を取られたとしても、「法的に許される範囲を超えていないか?」を冷静に見極めることが大切です。

その意味でも、録音データは自分を守るための大事な武器になります。


◆ まとめ:税務調査では「冷静+記録」で対応を

強引な税務調査を防ぐには、「感情的にならず、事実を残すこと」が何より重要です。

  • 録音は違法ではない
  • 証拠能力もある
  • 不当な調査への防衛手段になる

税務調査官も記録を取られていると思えば、慎重になります。
「正しい調査を受け、正当な納税をする」ためにも、冷静に、そして静かに録音ボタンを押しておきましょう。

田中雅樹(税理士)

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

 

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