国民年金の「追納」で控除漏れ?― 控除証明書だけでは足りないケースがあります ―
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学生時代に利用した「学生納付特例制度」。
その後、社会人になってから追納する方は少なくありません。
ところが――
追納したのに、社会保険料控除を申告できていなかった。
そんな事例が明らかになりました。
今回、総務省行政評価局があっせんを行い、
日本年金機構に対して周知方法の改善を求めています。
実務上も注意が必要な論点です。
■ 何が起きたのか?
相談者は、学生納付特例制度で猶予されていた国民年金保険料を、令和5年8月〜令和6年2月までの7回に分けて追納しました。
当然、追納額はその年の
社会保険料控除の対象
になります。
そこで、日本年金機構から送付された
「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」
を使って年末調整を行いました。
しかし――
約1年後、
10月〜12月に追納した3か月分が控除されていない
ことに気づいたのです。
■ なぜそんなことが起きるのか?
ポイントは「控除証明書の仕様」です。
日本年金機構が秋に送付する控除証明書には、
- 1月〜9月までの納付済額
- 10月〜12月の納付見込額
が記載されています。
しかしここで問題が。
✔ 10月以降に「追納」した分は見込額に含まれない
10月以降に追納した場合は
その都度発行される「領収証書」の添付が必要
になります。
控除証明書だけでは足りないのです。
■ なぜ申告漏れが起きやすいのか
今回のあっせんで指摘された問題は、
- 特例承認通知書には説明がない
- 追納リーフレットにも記載なし
- ホームページでも複数回ページ遷移しないと見つからない
という点。
「知っていれば防げる」でも
「知らないと気づけない」構造です。
実際、相談者は約1年間、控除漏れに気づいていませんでした。
■ どれくらいの人が対象になり得る?
厚労省年金局の資料によると、
- 学生納付特例者:約159万人(令和5年3月時点)
- 10年以内に追納する割合:約8.9%
割合としては多くありませんが、
「追納する人=真面目にきちんとやる人」
であることを考えると、
この控除漏れは心理的ダメージが大きいのではと思います。
■ 税理士目線での実務ポイント
年末調整や確定申告の際に、必ず確認したいのは次の2点。
- 10月以降に追納していないか?
→ YESなら領収証書の有無を確認 - 控除証明書の金額と実際の支払額が一致しているか?
→ 見込額と実績のズレを確認
特に会社員の方は、年末調整を「会社任せ」にしがちです。
しかし、会社天引きの、社会保険料の自己負担分以外の社会保険料控除は、
自身で気付いて会社側に提出する必要があります。
■ もし漏れていたら?
年末調整で漏れに気づいたら、
- 確定申告で修正
- 既に申告済なら更正の請求
で取り戻すことは可能です(原則5年以内)。
「もう1年経ったから無理かも…」
と諦める前に確認を。
■ まとめ
学生納付特例の追納は、将来の年金額を増やす前向きな行動です。
しかし、
追納のタイミングによっては領収証書が必要になる
という点は、意外と知られていません。
今回のあっせんを機に改善が進むことを期待したいところです。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
終日雨でした。
クシャミは出ても、ハナミズは少なめ。
確定申告、始まっちゃえばあっという間だなぁと感じております。
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