高校生の扶養控除が縮小へ?―児童手当の拡充・高校無償化で見直しが本格化―
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政府・与党が、高校生を扶養する親の「扶養控除」を縮小する方向で検討している、というニュース。
背景には、
- 児童手当の対象が高校生まで拡大された
- 高校授業料の実質無償化が所得制限なく実施される予定
など、すでに 子育て支援が手厚くなっている ことがあります。
今回は、この見直しの内容と理由を、専門用語なしで分かりやすく解説します。
1.今の「高校生の扶養控除」はどれくらいの金額?
現在の扶養控除(高校生の年齢の子ども)は次のとおりです。
| 税目 | 控除額 |
|---|---|
| 所得税 | 38万円 |
| 住民税 | 33万円 |
※ここでいう「高校生の年齢」とは、16歳以上18歳以下の扶養親族をイメージすると分かりやすいです。
この控除により、親の税負担が軽くなっています。
2.検討されている「縮小後の控除額」
政府・与党が検討している新しい控除額は以下のとおり:
| 税目 | 現行 | 改正案 |
|---|---|---|
| 所得税 | 38万円 | 25万円に縮小 |
| 住民税 | 33万円 | 12万円に縮小 |
んー、、、けっこう大きいですね。
3.なぜ縮小するのか?
背景1 高校生まで児童手当が支給されるようになった
2024年から、児童手当の対象が高校生まで拡大されました。
つまり、扶養控除がなくても支援が受けられる仕組みができたということです。
背景2 高校の実質無償化(公私とも)が拡大予定
2026年度からは、私立高校まで含めた実質無償化が所得制限なしで受けられる見込み。
→ 『高所得層でも支援を受けられる』ため、
→『 扶養控除(=税の優遇)もそのまま残すと「二重取り」になる』
という批判が強まっていました。
背景3 扶養控除は“高所得者ほど有利”
扶養控除は、税率が高い人ほど節税額が多くなる仕組み。
つまり、高所得者ほど恩恵が大きい制度です。
高校無償化や児童手当は所得制限なしなのに、扶養控除もそのままだと
⇒ 高所得者に有利すぎる
という指摘が以前からありました。
4.これまで反対されてきた理由
控除縮小はたびたび議論されてきましたが、
- 子育て世帯の負担が増える
- 税負担が急に増える家庭もある
等の理由から先送りされてきました。
しかし支援策が大きく増えたため、今回ついに踏み切る方向になったとみられます。
5.いつから変わる?
報道では、2026年度からの変更が見込まれるという論調です。
(2025年12月の税制改正大綱で正式に示されると想定)
6.家計への影響は?(ざっくり計算例)
たとえば所得税率10%の家庭では:
減少する所得税控除:13万円→ 税額は1.3万円増
住民税も同様に控除が減るため、合計で 2万円前後の負担増 となる
ケースが多いと考えられます。
※個別の税率によって異なります。
まとめ
- 高校生の扶養控除が大幅に縮小される方向で検討中
- 児童手当や高校無償化など、支援が手厚くなったことが理由
- 高所得ほど有利な仕組みだったため、改善の声が強まっていた
- 実施は2026年度が見込まれる
税制改正大綱で内容が固まり次第、また分かりやすく解説します!
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
朝8時ころ車を走らせておりましたところ、外気温計が0度を示しておりました。
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