東京都の宿泊税が「3%の定率制」に?2027年度中にも大きな制度変更へ。事業者・利用者への影響は?
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東京都が、ホテル・旅館などに課されている「宿泊税」について、現行の定額制から“宿泊料金の3%を課す定率制”へ切り替える素案を公表しました。
2027年度中の施行が想定されています。
今回の見直しは、宿泊事業者だけでなく、旅行者・インバウンド対策・そして税収の使い道にも影響するため、概要を簡潔にまとめます。
■ 現在の宿泊税は「1泊100円 or 200円」の定額制
東京都の宿泊税は2002年から続く制度で、以下のような定額方式です:
- 1万円〜1.5万円未満:100円
- 1.5万円以上:200円
この税収は、観光産業の振興(事業費306億円)に使われていますが、2024年度見込みの宿泊税収は69億円と、その2割強にとどまっているのが現状。
そこにインバウンド増加・行政コスト増が重なり、制度の見直しが検討されてきました。
■ 変更後:宿泊料金の「3%」を課税
民泊・簡易宿所も課税対象に
東京都の素案では次の変更が示されています:
- 宿泊料金の 3%の定率制
高額な宿泊料金ほど税額が増え、景気・物価にも連動しやすくなります。 - 民泊・簡易宿所も新たに対象
Airbnbなど民泊も対象になります。 - 課税免除基準を
1万円未満 → 1万3,000円未満へ引き上げ
物価上昇・宿泊料金の高騰を踏まえた対応とされています。
■ 税収は「69億円 → 190億円」へ増加見込み
定率化により、宿泊税収は**約190億円(約2.7倍)**に増えると試算されています。
観光振興費が約300億円規模であることを考えれば、より制度の“自立性”を高める狙いが見て取れます。
■ 宿泊事業者の負担はどうなる?
宿泊税は、**事業者が宿泊者から預かって納付する“間接税”**です。
定率になることで…
- 宿泊税の計算作業は複雑化する
- システム対応(予約サイト・レジ・会計)も必要
- 民泊事業者は新たに徴収義務が発生
といった負担も増えます。
北海道倶知安町(2%)では、導入時に事業者側の事務対応が話題になりましたが、東京都はより大規模な影響が出ると予想されます。
■ 利用者への影響:高級ホテルほど税額アップ
定額制 → 定率制により、特に影響が大きいのは高価格帯ホテル。
例:1泊70,000円 → 宿泊税2,100円
例:1泊150,000円 → 宿泊税4,500円
これまでの200円から大きく増えるため、外資系高級ホテルには特に影響します。
■ まとめ:今後はパブリックコメント・条例改正へ進む予定
東京都の宿泊税見直しは、次のスケジュールで進みます:
- 2025年11/27〜12/26:パブリックコメント募集
- 2026年2月:都議会へ条例改正案提出
- 総務相の同意後、2027年度中に施行
民泊にも課税対象が広がる点、1万3,000円未満は非課税となる点など、事業者は早めの情報収集が必要です。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

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