税務署に行かなくても確定申告書ゲット可能に──マルチコピー機サービスの開始
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令和7年10月、国税庁は**「マルチコピー機で印刷できる申告書・届出書サービス」を開始しました。
ファミリーマート・ローソン・ミニストップ・ポプラグループなど、全国の一部コンビニに設置されているシャープ製マルチコピー機**から、所得税や消費税などの申告書・届出書をその場で印刷できます。
これにより、これまで「税務署に行って用紙をもらう」「印刷環境がない人が困る」といった問題が、ある程度解消される見込みです。
1.紙の配布は「縮小」へ──税務署の本音は“用紙を配りたくない”
国税庁のページ(マルチ方式申請(郵送・持参・e-Tax))を読むと、表向きは「便利になりました」と説明されています。
しかし実際には、税務署の紙用紙配布を段階的に縮小するための措置と見ることもできます。
ここ数年で、税務署は次のような動きを見せています。
- 所得税や消費税の申告書など、主要な用紙の窓口配布を終了
- 郵送送付も廃止・縮小
- 「国税庁HPまたはe-Taxで作成・印刷してください」と案内
つまり「紙を配るのをやめたい」が、完全にやめると困る人も多い──
その“橋渡し”として登場したのが、このコンビニ印刷サービスというわけです。
2.マルチコピー機サービスの概要
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開始時期 | 令和7年10月 |
| 印刷できるもの | 申告書・申請書・届出書など |
| 利用場所 | ファミリーマート・ローソン・ミニストップ・ポプラグループなど(シャープ製マルチコピー機設置店) |
| 費用 | 白黒:20円/ページ、カラー:60円/ページ |
| 事前手続き | 不要(登録・申請など一切なし) |
| 入手方法 | マルチコピー機のメニューから「行政サービス」→「国税庁」→該当書類を選択して印刷 |
スマホやパソコンを使わなくても、紙の書類を手に入れられるため、特に高齢者やネット環境のない方にとっては助かる仕組みです。
3.e-Taxへの“静かな誘導”
ただし、国税庁の最終目的は「紙の完全撤廃」ではなく、電子申告(e-Tax)を中心にした税務手続への移行です。
マルチコピー機で印刷できるといっても、
- 費用がかかる(白黒でも20円/ページ)
- 紙の保管・郵送・記入が必要
- 修正時に再印刷が必要(二重線で訂正する方法もある)
といった手間が残ります。
一方、e-Taxなら印刷も郵送も不要で、即時受付通知も届きます。
つまり「コンビニ印刷」はあくまで**移行期の“緩衝材”**であり、最終的には電子申告がメインになることが見えています。
4.今のうちに整えておきたい3つのこと
1️⃣ e-Taxの利用者識別番号を取得しておく
いつでも電子申告に移行できる状態を整えておくのが理想です。
2️⃣ 書類の電子保存に慣れておく
今後は帳簿も請求書もPDF保存が当たり前になります。クラウド保存の導入も検討を。
3️⃣ 紙と電子の使い分けルールを決める
社内で「どの書類は紙で保存」「どの申請は電子で提出」とルール化しておくと混乱を防げます。
5.まとめ:便利さの裏で、税務署も“改革中”
マルチコピー機で申告書が印刷できるようになったことは、一部の納税者にとって確かに便利です。
ただその裏では、税務署も「紙の事務コスト削減」「オンライン化の推進」という改革の真っただ中にあります。
紙をなくすための一歩が、コンビニ印刷…かどうかは分かりませんが。
その次の一歩は、あなた自身の「電子申告デビュー」です。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
扇風機と電気ヒーター、両方が部屋にあります。
急に要らなくなった扇風機。
キレイにした後、物置きに仕舞おうと思います。
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