中小企業の「少額減価償却資産の特例」基準額引き上げを経産省が要望
スポンサーリンク
物価上昇が続く中、長年据え置かれてきた各種公的制度の基準額や閾値を見直す動きが進んでいます。
政府は2025年6月に「経済財政運営と改革の基本方針(骨太の方針)2025」を閣議決定。
予算や税制で、長年据え置かれてきた金額を省庁横断で点検する方針を打ち出しました。
この流れを受け、経済産業省は2026年度(令和8年度)税制改正に向けて、中小企業が活用できる「少額減価償却資産の取得価額の損金算入特例」の基準額引き上げを要望しています。
少額減価償却資産の特例とは
- 中小企業者等が取得する30万円未満の減価償却資産が対象
- 年間合計300万円まで即時償却が可能
- 適用期限は2026年3月31日まで
この制度は2003年度(平成15年度)に創設され、2006年度改正で年間損金算入額300万円の上限が設定。
以降、約20年間、基準額は30万円のまま据え置かれています。
なぜ見直しが求められているのか
- 物価上昇が長期化し、設備や備品の価格が上がっている
- 中小企業のIT化・設備投資の現実に合わなくなっている
- 実際に利用件数も多く、国税庁調査では適用件数が租税特別措置の中で2位(約65万件)
こうした状況を踏まえ、経産省は基準額を30万円から引き上げる案を要望。
実現すれば、中小企業の投資負担をさらに軽減し、利用拡大が見込まれます。
そのほかの要望
経産省は併せて、昭和59年以来据え置かれている
「食事支給に係る所得税非課税制度(月額3,500円)」
の、約40年ぶりの引き上げも求めています。
今後の流れ
政府は「基準額・閾値の点検・見直し」に関する関係府省庁連絡会議を設置。
各省庁の点検結果や税制改正要望を取りまとめ、年末の経済財政諮問会議などで議論が進む予定です。
まとめ
- 中小企業が活用できる「少額減価償却資産の特例」は2026年3月末で期限切れ
- 基準額が30万円から引き上げられる可能性あり
- 物価高への対応や中小企業支援として注目
中小企業や個人事業主にとって、基準額引き上げが実現すれば投資計画の選択肢が広がります。
今後の税制改正の行方に注目しておきましょう。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
『無職転生~異世界行ったら本気だす~』、最終巻まできました。
ドキドキしながら聞いております。
今日のラジオ
●木曜キックス