節税のつもりが脱税に?ネットの知識を鵜呑みにした人の末路
スポンサーリンク
その節税、実は脱税? SNS発「税理士も知らない節税」って?
「これ、経費にできるってX(旧Twitter)でバズってたんですよ!」
そう語るのは、都内でデザイン業を営む個人事業主・Sさん(30代)。
副業から本業に切り替えた2年目、利益も出始め、「今年は節税しないと」とネットで情報収集を始めたのが、すべての始まりでした。
「なるほど、経費にできるのか!」
Xで見つけた投稿にはこう書かれていました。
「〇〇を買って“仕事に使った”って言えば経費になるよ!税務署もそんな細かいこと見ないし!」
これを真に受けたSさんは、PC、カメラ、書籍、服、旅行、果ては高級腕時計まで、「仕事に関係あるはず」と自信満々で帳簿に記載。
確定申告もfreeeでちゃちゃっと済ませました。
しかしその半年後…
「税務署ですが、お話を伺いたくて…」
これが噂に聞く、任意の税務調査というやつか。
所轄税務署の担当調査官は物腰柔らかく、税務調査の日程の候補をいくつかあげてきた。
調査当日がやってきて、税務調査官もやってきた。
まずは雑談から始まり、やがて総勘定元帳、領収書、請求書の提示を求められ、説明も求められる。
都合の悪いことは口ごもっていたSさんだが、“ネット節税”のボロが次々と露呈。
- 高級腕時計:「それ、時刻を確認する以外の用途は?」
- 家族旅行:「旅費のうち、どの部分が業務と関連しますか?」
- 仕事着:「おしゃれな私服と業務用の違いはどこで判断してます?」
答えに詰まり、調査官から一言。
「これは“節税”じゃなくて、“脱税”とまでは言いませんが“経費として認められません”ね」
結果、申告内容は大幅に修正され、追徴税額数十万円、そして加算税、延滞税…
Sさんは青ざめました。
「ネット情報は、鵜呑みにしないこと」
Sさんはこう振り返ります。
「“こうすれば得”って話には、裏がある。税金って“グレーだけどとおる”みたいな感覚で扱っちゃいけなかったんですね」
経費にできる・できないは“実態”がすべて
- 仕事と私生活の境界はどこにあるか
- 本当に業務のために使ったのか
- それを証明できる記録や説明があるか
これらが経費として認められるかどうかのポイント。
ネットにあふれる「節税テク」は、税理士の目から見ると“地雷”だらけのことも多いのです。
【☝️CAUTION!】
SNSの節税テク?の中には、後ろ盾となる根拠がなく、「たまたま税務署の目に留まらなかっただけ」というものが散見されます。
「節税」はプロと一緒に進めるもの
節税は、適切な知識と判断があってこそ成立します。
ネットの情報は便利ですが、それだけでは“税務署に通用する説明力”が足りないケースがほとんど。
SNSではなく、まずは自身の手で、目で、しっかり調べる。
「ちょっと不安かも…」と感じたら、早めに税理士へご相談ください。
“グレー”を“ブラック”にしないためにも、正しい選択を。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
田植え前の種まきでした。
今日の甲府は夏日未満。
過去数年からすると、信じられないくらい空気がひんやり。
家の中ですと時おり寒いくらいでした。
(種まき中は汗ぐっしょりでしたが)
今日のラジオ
●カンニング竹山の大阪出張