相続で取得した建物、耐用年数は「中古資産」でいいの?
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相続で賃貸用の建物を引き継いだとき、
減価償却の耐用年数をどうするかは、意外と悩ましいポイントです。
「相続で取得した=中古資産だから、
中古資産の耐用年数(見積もり耐用年数)を使えるのでは?」
こうした疑問について、国税庁が明確にNGとしています。
結論:中古資産の耐用年数は使えません
国税庁の見解はシンプルです。
👉 相続により取得した減価償却資産については、
中古資産として耐用年数を見積もることはできない
- 新たに「中古資産」として扱い直す
- 使用可能期間を見積もって耐用年数を短縮する
といった処理は 不可 です。
なぜダメなのか?ポイントは「引き続き所有していたものとみなす」
この結論の根拠は、所得税法とその施行令にあります。
相続により取得した減価償却資産については、
被相続人が引き続きその資産を所有していたものとみなす
という考え方が取られています。
そのため、相続人は次のものをすべて引き継ぐことになります。
- 取得価額
- 耐用年数
- 経過年数
- 未償却残高
「相続=新規取得」ではなく、
あくまで“続きもの”として扱う、というのが税法の立場です。
実務でよくある勘違い
実務では、こんな誤解が起こりがちです。
- ✔ 相続した建物は古い
- ✔ 実際の使用年数もかなり経っている
- ✔ だから中古資産として耐用年数を短くしたい
気持ちは分かりますが、
相続の場合はアウトです。
(※ 売買などで取得した中古建物とは扱いが違います)
実際の処理はこうなる
相続で賃貸用建物を取得した場合は、
- 被相続人の減価償却の計算を引き継ぎ
- 相続開始後は、その残りの耐用年数で
- 通常どおり減価償却を続ける
という流れになります。
まとめ
- 相続で取得した減価償却資産は「中古資産」扱いにならない
- 見積耐用年数は使えない
- 被相続人の取得価額・耐用年数・経過年数をそのまま引き継ぐ
- 「相続=リセット」はできない点に注意
相続後の不動産所得は、
最初の処理を間違えると、ずっと影響が残る分野です。
「これ、中古耐用年数でいいんだっけ?」と一瞬でも迷ったら、
一度立ち止まって確認するのが安心ですね。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
1年前のこの時期、出先で足元に寒さをおぼえることがおおく。
そこで今年は膝掛けを用意したのですが、暖かい日が珍しくないと。
でも、ゆーても2月ですからね。
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