学習塾の倒産が過去最多に──2025年、学習塾業界に何が起きたのか
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2025年、学習塾の倒産件数が46件に達し、過去最多を更新しました。
これは帝国データバンクが発表し、Yahoo!ニュースでも取り上げられた内容です。
「塾」と聞くと、
教育需要はなくならない
少子化でも一定数は残る
そんなイメージを持つ方も多いかもしれません。
しかし、実際の現場では中小規模の学習塾を中心に、経営環境が急激に悪化しています。
倒産の中心は「中小塾」
今回倒産した学習塾の特徴は、次のとおりです。
- 約9割が資本金1,000万円未満の小規模事業者
- 地域で一定の存在感を持っていた中堅塾の倒産も発生
- 特に補習塾・個別指導塾が厳しい状況
単に「経営が下手だった」という話ではなく、構造的な問題が重なっています。
学習塾を直撃する「三重苦」
1. 少子化による市場縮小
生徒数そのものが減少し、塾同士の競争が激化。
「生徒を奪い合う市場」になっています。
2. 人件費・固定費の急上昇
- 最低賃金の引き上げ
- 講師不足による求人費の増加
- テナント料・電気代の高騰
特に、大学生講師の確保が難しくなり、
人件費は上がるのに授業料は上げにくいというジレンマに陥っています。
3. 生徒募集コストの高騰
かつて主流だった折込チラシは効果が薄れ、
- SNS運用
- リスティング広告
- Web集客
が必須に。
結果として、生徒1人あたりの獲得コストが数年前の2倍という声も出ています。
明暗が分かれる「大手」と「中小」
好調な大手塾
- 難関校志向・アッパー層をターゲット
- 高額な季節講習やオプション講座
- AI教材・アプリ利用料などで収益確保
コスト増を価格に転嫁できる体力とブランドがあります。
苦戦する中小塾
- 一般家庭向けの補習中心
- 「習い事の選別」の対象になりやすい
- 授業料を上げると生徒が減る
売上は維持できても、利益が出ない赤字経営が常態化している塾が増えています。
「学力向上だけ」では生き残れない時代へ
最近では、
- 生徒のメンタルケア
- モチベーション管理
- 超・個別最適化
といった付加価値で生き残りを図る小規模塾もあります。
しかし一方で、大手塾が
安価なAI自立学習コースを投入し、
補習層・中堅校層まで取り込みに来ています。
これにより、
「難関校は大手、補習は地元」
という従来の棲み分けは、急速に崩れつつあります。
今後、淘汰はさらに進む可能性
帝国データバンクは、
- ICT投資の差
- 入試制度の多様化(適性検査など)
- 価格競争と付加価値競争の同時進行
を背景に、
2026年にかけて学習塾の淘汰がさらに加速すると予測しています。
まとめ
学習塾の倒産増加は、
- 一時的な景気要因ではなく
- 少子化・物価高・デジタル化という不可逆な変化
が重なった結果です。
「良い授業をすれば生徒が集まる」
そんな時代は、すでに終わりを迎えつつあります。
これからの学習塾経営には、
教育×経営×マーケティングを同時に考える視点が不可欠になっていくでしょう。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
今日で年末年始の休みが終わり、という人が多いでしょうか。
そんな最終日、スポーツクラブで自らにムチ入れてきました。
あれ?書くまでもなく、「自ら」に決まっていますね。
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