【パン屋の倒産が4割減】淘汰の一巡と“強いベーカリー”が残る時代へ
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パン屋の経営環境は依然として厳しいにもかかわらず、2025年に入り倒産件数が大きく減少しています。
帝国データバンクによると、2025年1〜10月の倒産件数は15件。前年(26件)から約4割減 となりました。
数字だけを見ると復活の兆しにも見えますが、業界に詳しい方からは次のような冷静な見方もあります。
「これは“淘汰が一巡した”結果ではないか?
多くの店が市場から退出し、残った店が利益を出せる体質になってきただけではないか」
実際、2024年度は
- 約7割が黒字
- 4割超が増益
と、強い店舗が生き残り、体力が不足していた店が減ったことで、
構造的に“残った店が利益を出しやすい市場”へ変化したと考える方が自然です。
■ パン業界を取り巻く“三重苦”は今も続く
- 小麦・油脂・バター・卵などの原材料高騰
- 人件費上昇
- 電気代の上昇
この「三重苦」は現在も続いており、決して追い風とは言えません。
むしろ、
「原材料・人手・人口の三重苦の時代、
“おいしいだけ”のパン屋はもう生き残れない」
という声の方が現場実感に近いでしょう。
■ “コメ高騰=パン需要増”は一面。安易に結びつけすぎるのは危険
統計上、2025年のパン支出額はコロナ前比で増えています。
調理パンは 約3割増 というデータもあります。
ただし、ここで “パンが人気だから” と安易に持ち上げるのは正確ではありません。
コメの価格高騰で「代替需要」が生まれたことは事実だが、
同じ理由で「弁当」「パスタ」も伸びている。
パンだけが特別に選ばれているわけではない。
むしろ、業界の見方として正しいのは次の部分です。
「地域に必要とされるベーカリーは、コメ価格に左右されない」
→パン消費の増加はあくまで外的要因が後押ししただけで、
本質的には“強いパン屋が残った”という構造変化の方が重要です。
■ なぜ黒字化が進んだのか?鍵は“納得感のある値上げ”
2024年度のパン屋の業績を見ると、7割が黒字。
ここで勝敗を分けたのは 「値上げの仕方」 でした。
▼ 成功したパン屋の共通点
- 国産小麦、国産バターなど、こだわりを明確に伝える
- SNSで「ストーリー」「製造背景」を発信
- 値上げではなく “価値の適正価格化” として受け入れられた
- 定番商品の価格は据え置くなどメリハリをつけた
単にコスト上昇を転嫁するだけなら客離れします。
しかし、
「なぜ価格が変わるのか」
「そのパンにどんな価値があるのか」
を丁寧に伝えたベーカリーは客単価を上げ、リピーターを増やしています。
SNS時代の強みはまさにここで、
“手頃さ”ではなく“価値”を伝えられる店だけが生き残る
という評価が広がっています。
■ 今後の鍵は「ベーカリーカフェ化」と“体験の提供”
原材料費が高止まりし、少子化で客数が減る時代。
そこに人件費上昇も重なるため、パンの小売だけでは限界があります。
そのため、足元では次の動きが顕著です。
▼ 新しいベーカリーの形
- ベーカリーカフェ化(イートインの充実で客単価UP)
- 地域密着型ブランド(地元食材・学校・農家との連携)
- ニッチ特化型(ハード系専門、小麦不使用、ヴィーガン系など)
- SNSでブランドストーリーを育てる
これらはすべて、「価格競争」から抜け出すための戦略でもあります。
■ まとめ:残ったのは“強いパン屋”。今は進化のフェーズ
- 倒産が4割減 → 淘汰が一巡した可能性
- コスト高の“三重苦”は今も継続
- コメ高騰の影響は一要因にすぎない
- 黒字化の鍵は 納得感のある値上げ
- 今後は ベーカリーカフェ化や体験価値の提供 が生存戦略に
パン屋業界は依然として厳しい環境ですが、
強い価値を持つ店舗が生き残り、
その価値を発信できる時代になりました。
“ただおいしい”では足りない。
“おいしい理由を伝えられる店” が勝つ時代だと言えるでしょう。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
冬です。
なぜなら、暑がりな我が家のネコが日向ぼっこ。
昨日までわざわざ日陰に移動して香箱座りをしていたのが、なんと日向へ移動したのです。
紛れもなく!
…と思いましたが、天気がよければ室温は20度超え。
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