在職老齢年金の見直しで何が変わる?― 基準額65万円へ引上げと「控除280万円上限」の新ルール
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2025年4月から、
在職老齢年金制度が見直されます。
働きながら年金を受給している方には重要な改正です。
さらに、その影響を受けて
所得税側の控除ルールも変更予定です。
順番に整理します。
1. まずは年金制度の見直し
在職老齢年金制度とは、
給与+老齢厚生年金の合計額が一定額を超えると
年金の一部が支給停止になる仕組み
です。
※老齢基礎年金は減額対象外
※減額は老齢厚生年金のみ
※計算は月単位
🔹 基準額の変更
現行(3月まで)
➡ 月額 51万円超 で減額
4月から
➡ 月額 65万円超 で減額
換言すると、
より多く働いても年金が減らされにくくなる
という改正です。
🔹 具体例
給与:月46万円
老齢厚生年金:月10万円
合計56万円
■ 3月まで
51万円を5万円超
→ 超過分5万円の半額=2万5,000円が支給停止
■ 4月以降
基準額65万円未満
→ 支給停止なし(全額受給)
これはかなりインパクトがあります。
2. そこで出てくる“税の問題”
実は、ここからが税制の話です。
給与のみの人は
➡ 給与所得控除のみ適用
給与+年金の人は
➡ 給与所得控除+公的年金等控除の両方が適用
同じ収入でも
年金がある人の方が控除が大きくなる
という構造があります。
今回の年金制度見直しで
年金を満額受け取れる人が増えるため、
この「控除差」がより目立つことになります。
3. 控除合計に“上限280万円”を設定へ
そこで、
令和8年度税制改正大綱では
給与所得控除+公的年金等控除の合計上限を
280万円とする
とされています。
適用は 令和9年分以後の所得税 から。
🔹 イメージ例
65歳以上
年金収入200万円
給与630万円の場合:
給与所得控除:170万円
公的年金等控除:110万円
合計:280万円(ここが上限)
それ以上は、控除額は増えません。
4. 改正の流れ
・2024年6月:年金制度改正法成立
・2025年4月:在職老齢年金の基準額引上げ
・2026年度税制改正で法制化
・2027年分(令和9年分)から適用予定
年金制度改正を受けて、
税制側も整合性を取る形です。
5. 実務的に見ると
今回の改正は、
✔ 働く高齢者の年金減額を緩和
✔ ただし税制で控除バランスを調整
という流れです。
「年金が増える=手取りがそのまま増える」
とは限らない点がポイント。
特に、
- 60代後半で高収入の役員
- 企業オーナー
- 退職後も高額給与を受ける方
は影響を受けやすいです。
まとめ
✔ 在職老齢年金の基準額が51万円→65万円へ
✔ 年金が減額されにくくなる
✔ 控除差是正のため控除合計280万円上限
✔ 令和9年分から適用予定
制度は「働く高齢者支援」と
「税負担の公平性確保」の両面改正です。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
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