令和7年分「年末調整のしかた」が公表されました〜基礎控除の見直しや新設控除に要注意〜
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国税庁が年末調整の手引きを公表
国税庁は2025年(令和7年)8月29日、令和7年分の年末調整のしかたを公表しました。
今回の大きなポイントは、令和7年度税制改正による基礎控除や給与所得控除などの見直しが、令和7年12月以降の源泉徴収事務から適用されるという点です。
→12月に行う年末調整から新ルールで対応する必要があります。
主な改正点
1. 基礎控除・給与所得控除の見直し
- 給与所得控除の最低保障額と、基礎控除の最高額がいずれも 10万円引き上げ
- 一定の中所得者層には、収入に応じて 5〜37万円の基礎控除上乗せ特例 が導入
これにより、年末調整の計算式や控除額の確認が従来と変わります。
2. 特定親族特別控除の新設
新しく「特定親族特別控除」が創設されました。
この控除を受けるためには、従業員から「給与所得者の特定親族特別控除申告書」を提出してもらう必要があります。
3. 扶養控除等の要件変更
扶養親族等の所得要件も見直されています。
そのため、新しく扶養控除の対象となる親族がいないか、従業員への確認と申告書の提出が必要です。
4. 住宅ローン控除「調書方式」への対応
令和7年分の年末調整から、住宅ローン控除の適用に「調書方式」を使う人が出始めます。
この方式では、給与支払者が受け取る申告書に「住宅取得資金に係る借入金の年末残高証明書」を添付しなくてもよい仕組みとなります。
実務での注意点
- 従業員に対して 扶養控除等異動申告書や特定親族特別控除申告書の提出を周知 すること
- 計算の際は、改正後の基礎控除額や給与所得控除額を使うこと
- 国税庁ホームページ掲載の「源泉徴収簿(令和7年分)」は一部未対応(特定親族特別控除)なので、使用する場合は余白に記載欄を設けるなどの工夫が必要
まとめ
令和7年分の年末調整は、基礎控除や給与所得控除の見直し、新しい控除制度などで例年以上に注意が必要です。
とくに12月の年末調整に直結するため、経理担当者は早めに準備と周知を進めることが大切です。
国税庁の最新の手引きを確認しながら、正しい対応を行いましょう。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
夕方前までは8月の酷暑と変わりませんね。。
で、年末調整について。
昨年もでしたが、今回もちょっと大変そうですね。
事業者側はもちろん、給与所得者側もある程度の内容把握が必要かと思います。
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