新しいリース会計、何がどう変わる?税務との違いもわかりやすく解説!
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これから導入が予定されている新しいリース会計基準が、企業の財務や会計実務に大きな影響を与える見込みです。
「リースってレンタルでしょ?」と思っている方にこそ、ぜひ知っておいてほしい内容です。
今回は、新しいリース会計基準のポイントと、税務上の扱いの違いについてやさしく解説します!
■ 今までのリース会計ってどうだった?
これまで日本の会計基準では、リース契約は2つに分かれていました:
- ファイナンス・リース取引:実質的に購入と同じ → 資産計上・減価償却
- オペレーティング・リース取引:単なるレンタル → 会計処理は費用(オンバランスしない)
これによって、オペレーティング・リースなら貸借対照表に載らない=負債が見えにくくなるという問題がありました。
■ 新基準では“すべてのリース”が資産・負債に!
新しい会計基準では、**オペレーティング・リースも原則としてオンバランス処理(資産・負債として計上)**されます。つまり:
- リース物件を使う権利 → 「使用権資産」
- 将来の支払義務 → 「リース負債」
という形で、貸借対照表にしっかり反映されるようになります。
✅ 税務上はどうなるの?「賃貸借処理」のままでOK!
ここが実務上の大きなポイントです。
会計ではすべてオンバランスに変わりますが、税務では引き続き、オペレーティング・リースは「賃貸借取引」として処理してOKです。つまり:
- リース料は支払時に費用計上
- 減価償却や資産計上は不要
これまで通りの感覚で、税務申告上は変更なしということで安心です。
ただし、会計と税務で処理がズレるため、帳簿上の管理、税効果会計への対応、法人税申告書の調整は必要になります。
✅ 「リース期間定額法」の見直しにも注意!
ファイナンス・リースに該当する場合の減価償却方法についても、今回見直しが入ります。
これまで多くの会社が使っていた「リース期間定額法」について:
- リース期間が法定耐用年数より長いときは、法定耐用年数で償却
- それ以外は、これまでどおりリース期間で定額償却
- 残価補償額があっても、1円(備忘価額)まで償却可能
というふうに、減価償却方法に条件が追加される見込みです。
リース期間と耐用年数の関係に注意しないと、帳簿上の償却額が誤るリスクもあるため、今後の契約判断にも影響します。
■ 対象になるのはどんな契約?
以下のようなものが、今後はオンバランスの対象になる可能性があります:
- 車やコピー機のリース
- オフィス賃貸契約(長期で、独占使用の場合)
- 工場や倉庫の設備貸与契約
※ただし、**1年以内の短期リースや少額リースについては“除外可能”**という免除規定も設けられる予定です。
■ 実務での影響は?
- 貸借対照表の資産・負債が増える → 銀行の見方が変わるかも?
- 経理処理の手間が増える → ソフトや管理台帳の見直しが必要
- 税務との処理の違いに注意 → 税効果会計の必要性が出る場面も
■ まとめ:リースは「借りるだけ」じゃなく、会計処理の準備も必要に!
- 新基準では原則すべてのリースがオンバランス
- 税務上は引き続き「賃貸借処理」でOK(オペレーティングリースであれば)
- 減価償却方法にも見直しあり。条件に応じた適切な処理が求められる
導入時期や詳細な内容はまだ最終決定ではありませんが、“今あるリース契約”や“これからの契約”への影響を見越して、早めの準備が大切です。
「うちの場合、何を見直せばいい?」と感じたら、どうぞお気軽にご相談ください。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
雨でした。我が家のネコも眠そう。
ありがちですが、ネコを事務所所長(広報担当)にしようかと考えてしまうことがありますね。
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●髭男爵山田ルイ53世のルネッサンスラジオ