年末調整が終わっても「安心してはいけない人」
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年末調整が終わると、
「もう税金の手続きは全部終わった」
そんな気分になりがちです。
でも実は、年末調整だけでは完結しない人が一定数います。
今回は、特に見落としやすい次の3パターンについて整理します。
- 副業をしている人
- 医療費が多くかかった人
- 住宅ローンを組んだ初年度の人
1. 副業をしている人
会社で年末調整を受けていても、副業がある場合は要注意です。
年末調整ではカバーされない理由
年末調整は、あくまで
「その会社から支払われた給与」
だけを前提に計算されます。
そのため、
- 副業の給与
- 業務委託・フリーランス収入
- 原稿料、講演料、アフィリエイト収入 など
これらは、年末調整には反映されません。
確定申告が必要になる典型例
- 副業の所得(収入−経費)が 20万円超
- 複数の会社から給与を受け取っている
- 副業で源泉徴収されていない収入がある
「少額だから大丈夫」と思って放置すると、
後から指摘されるケースも少なくありません。
2. 医療費が多くかかった人
年末調整では、医療費控除は一切反映されません。
こんな人は要チェック
- 年間の医療費が 10万円超
(または「所得の5%超」) - 家族分の医療費をまとめて支払っている
- 通院費・薬代・治療用メガネなどがある
これらは、確定申告をして初めて税金が戻る可能性があります。
「年末調整で戻らなかった=対象外」ではない
よくある誤解ですが、
年末調整で何も戻らなかった
= 医療費控除が使えない
ではありません。
医療費控除は年末調整では受けられず、確定申告でしか受けらませんから。
3. 住宅ローンを組んだ初年度の人
住宅ローン控除は、1年目だけ特別扱いです。
初年度は年末調整では不可
- 住宅ローンを組んだ 最初の年
- 住宅を取得・入居した年
この場合、必ず確定申告が必要になります。
2年目以降は、会社の年末調整で対応できますが、
初年度だけは例外です。
初年度に必要なもの(代表例)
- 借入金の年末残高証明書
- 登記事項証明書
- 売買契約書・請負契約書 など
「2年目から自動で控除される」と勘違いして、
初年度を申告し忘れるケースは本当に多いです。
まとめ:年末調整=ゴールとは限らない
年末調整は便利な制度ですが、
すべての人の税金を完結させる仕組みではありません。
特に、
- 副業がある
- 医療費が多い
- 住宅ローン初年度
このどれかに当てはまる方は、
確定申告が必要、または有利になる可能性があります。
「知らなかった」で損をしないためにも、
一度ご自身の状況を整理してみることをおすすめします。
それでは、よいお年を。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

本日記
2025年大晦日。
生きていれば、まぁいろいろ起こりますね。
悪いことでも、自分の中で納得のいくことであればよいのですが。
東京ポッド許可局でいうところの「未解決事件」は、けっこう厳しいものがあります。