ニガテを “半分、強い” に。山梨県中央市の税理士

納税を嫌った社長(会社)の末路。なにを失ったか

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納税は悪なのか? 〜節税にこだわりすぎた社長の結末〜

「税金なんて、払えば払うほど損をするだけだろう?」

そう言っていたのは、創業10年目を迎えた中小企業の社長・Aさん。
営業センスも抜群、従業員からも慕われていたが、唯一の弱点が「納税アレルギー」だった。

節税こそ正義?

Aさんは税理士に会うたびに、「なんとかして税金をゼロにできないか」と相談していた。
高級車のリース、家族を役員にして給与分散、社長宅をオフィス名義で借り上げ…。

法のグレーゾーンを攻める節税策に次々と手を出していった。

【☝️POINT!】
実はここで最も大きな問題が。それは「お金を失くしている」ことです。

決算書が真っ赤に

その結果、毎年の決算は真っ赤。
融資担当者は困惑し、金融機関からの評価も徐々に下がっていった。

「利益がないのにどうしてそんな高級車に乗れるんですか?手放す気はないんですか?」

そんな皮肉を言われたことも。
新規融資を受けたいと考えていたのだが、言い出せる空気ではなかった。

【☝️POINT!】
この社長は納税額がゼロならOKなので、赤字をまったく気にしていなかったようです。
また、この物語とは別の話ですが、「借りたお金は自分のもの!」…と考えてしまう経営者は、窮地に追い込まれる日がほぼ必ずやってきます。

ついに税務調査が…

ある年、ついに税務署の調査が入った。
高級車については、ほとんどプライベートで使っているのではと指摘を受けた。
“節税”のつもりで処理していた交際費や役員報酬は、ことごとく否認された。
修正申告と重加算税で、過去3年分の追徴課税額は合計●百万円に。

資金繰りに行き詰まり、社員への賞与もカットせざるを得なくなった。

【☝️POINT!】
車両については、事業に見合わない物であっても「否認」はされにくいです。
かといって「見合わない」高級車は、お金を失くし、利益は生まず、会社の体力を削るだけです!

いちばんの問題は信用失墜

税務調査での問題発覚は、融資先の銀行や取引先にも伝わり、信用は急落。
銀行への返済と給料の支払いで手一杯になり、仕入先、外注先をはじめ、税理士への支払いも滞る。
そして、身売りか廃業が視野に入るほど、事業は追い込まれた。

「あのとき、まっとうに税金を払っていれば…」
「余計なものにお金を使わなければよかった…」

すべてを失ったAさんの、心の底からの本音だった。


税金はコストではなく、“成長の対価”

納税を極端に嫌う姿勢は、時に会社の信用や将来性を損ないます。
正しく利益を出し、納税することは、健全な企業経営の証。
節税は“無理のない範囲で”、が鉄則です。

【☝️POINT!】
おおくの「節税」は、お金がかかるものです。
たとえば「保険」は万が一の備えになり、経費になれば、「経費✕税率」分、納税額も減少します。
…が、その万が一がなければ見返りはなく、保険料分のお金を失くすだけです。
節税を目的とせず、「必要な保険だけに入る!」が正解です。

田中雅樹(税理士)

●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日

 

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