e-Tax利用者アンケートから読み解く――「使いやすさ」と「まだ残る壁」
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個人・法人ともにオンライン申告・納税の流れが急速に進む中、国税庁が実施したe-Tax利用者アンケート。
回答数36万件超を誇る本調査から、**“利用が進む理由”と“改善が望まれる点”**を整理し、事業者として押さえておきたい実務的示唆をまとめます。
(出典:国税庁「e-Taxの利用に関するアンケート結果」令和7年10月) e-Tax
調査概要と回答者属性
- 令和7年1月~5月にかけて、合計368,510件(e-Taxサイト16,403件、作成コーナー352,107件)の回答あり
- 回答者の職業構成は、給与所得者60.8%、事業主11.8%、年金受給者18.1%など
→ 法人・事業者、それぞれの立場から“使いやすさ”や“導入動機”が浮かび上がります。
利用を始めたきっかけ
複数回答の中で上位になった動機は次のとおり。
- 「税務署に行かず申告できる」:207,080件
- 「申告・送信が容易」:192,395件
- 「パソコンなどネット環境が利用可能」:144,817件
- 「ペーパーレス化」:134,756件
→ 申告を「事務作業」ではなく「手軽に済ませたい」というニーズが明確です。
利用状況と満足度
- 利用満足度:e-Tax全体で「満足している」と回答した割合88.6%
- 非利用者からは「操作が難しい」「環境が整っていない」「手書きに慣れている」といった声も
→ 使える環境が整っている事業者ほど活用度が高く、その利便性を実感しています。
実務者として注目すべきポイント
- ネット環境・端末環境:利用者の導入段階で「パソコン・ネットが使えること」が前提になっているので、環境整備が前提です。
- スマホ・タブレット対応:令和6年・7年の改修項目に「スマホ用電子証明書対応」などが含まれています。
- 書類・証明書の簡略化:マイナンバーカード利用など、送付書類を減らせる仕組みも進んでいます。
- 準備段階の手間:ログイン・マイナンバーカード・ICカードリーダーなど、初回の導入負担は一部残っています。
→ これらを見越して、事前準備と社内教育が効果的です。
経営者へのメッセージ
電子申告・電子納税という言葉は難しく聞こえるかもしれませんが、視点を変えれば、「事務を減らして本業に時間を使える仕組み」です。
今回のアンケート結果が示すのは、環境を整えた事業者ほどその恩恵を受けているという現実です。
電子化できるところは早めに進めておきましょう
使える環境を整え、わからないところは専門家に相談する。
無理なくスタートすることが、これからの時代の事業運営につながります。
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
本日記
久々の晴天。
それでも寒いですね。
直近の冬は雪が多くなるのかどうか、気になってきました。
今日のラジオ
●火曜キックス
●髭男爵山田ルイ53世のルネッサンスラジオ
●稲村亜美とダンビラムーチョの野球のハナシ