【e-Tax送信ミスは自己責任?】申告できたと思い込んだ納税者に“無申告加算税”が課されたワケ
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こんにちは、税理士の田中です。
確定申告をe-Taxで済ませたつもりだったのに、実は送信できていなかった――。
そんな“うっかりミス”で、無申告加算税が課されてしまった方が、処分の取り消しを求めて争った事例があります。
「正直に納税もしていたのに…」というお気持ちもよくわかりますが、税務の世界では“申告があったかどうか”が非常に大事。
今回は、このケースについて簡単にご紹介します。
■ どんなミスが起きたのか?
納税者Xさんは、e-Taxで以下の2つのデータを送信しようとしていました。
- 確定申告書のデータ(いわゆる本体)
- 財産債務調書などのデータ(別途提出書類)
ところが、誤操作により調書データしか送信されておらず、確定申告書の方は未送信だったのです。
でも送信完了画面が表示されたことで、Xさんは「全部送れた」と思い込んでしまいました。
■ 納税は済んでいた。それでも“無申告”扱いに?
実は、Xさんは申告はできていなかったものの、税額の納付自体はちゃんと済ませていました。
このため、Xさんは「送信できたと誤認したのはやむを得ない。だから加算税は免除してほしい」と主張しました。
■ 税務署の判断は?そして審判所の結論は?
税務署は、期限後に申告が出された=無申告に該当するとして、無申告加算税を課税。
Xさんは「誤操作はe-Taxのシステムにも原因がある」と反論しましたが…
❌ 審判所の判断:「自己責任。正当な理由にはあたらない」
理由は以下の通りです:
ポイント | 解説 |
---|---|
✅ 送信の記録がない | 国税の受付ファイルに、申告書データの送信記録がなかった |
✅ メッセージボックスで気づけたはず | 通知が来ないことから、送れていないと分かる状態だった |
✅ 誤認は本人の問題 | 完了画面で「送信できた」と思い込んだのは主観的な事情 |
✅ 税務署に確認義務なし | 税務署が「申告忘れてませんか?」と教える義務はない |
■ 「正当な理由」に当たるのはどんな場合?
無申告加算税が免除されるのは、たとえば:
- 災害・事故・通信障害など、客観的にやむを得ない理由があるとき
- 自分ではどうにもできなかった事情があるとき
今回のように、「自分の誤操作で送信できなかった」場合は、たとえ悪意がなくても免除の対象にはならないのが原則です。
■ まとめ:「送信完了したか」は、必ず確認しよう
チェックポイント | 要確認内容 |
---|---|
✅ e-Taxのメッセージボックス | 申告データの「受信通知」が来ているか |
✅ PDF控えの出力 | 送信済みの申告書がPDFで保存されているか |
✅ 番号の控え | 受付番号などが発行されているか |
納税まで済ませていても、「申告書の送信」そのものがなければ無申告になってしまいます。
e-Taxを使うときは、送信後のチェックも忘れずに!
田中雅樹(税理士)
●単発相談担当・税務顧問担当はタナカ本人です
●社長の「こうしたい」を取り入れた問題解決を提案
●県内の専門学校・非常勤講師として『租税法』他を担当(2019年4月~)
●FM-FUJI「教えて税理士さん」出演(東京地方税理士会広報活動)
●ブログは毎日
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投票は投票日にしてきたわたし。
ただし選挙には情勢調査というものがあって、それが結果に左右するというんですね。
そんなわけで、近々、期日前投票に行ってこようと思います。
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