ニガテを “半分、強い” に。山梨県中央市の税理士

代償分割・換価分割・共有、どんな方法で分けるのが良いか

WRITER
 
この記事を書いている人 - WRITER -

スポンサーリンク

相続税は、多くの場合、土地や建物などの不動産にかかるものです。

不動産が多いということは、相続する人が二人以上いるようなら、すべての相続人が平等になるようにわけるのは難しいということ。

そこで考えられるのが、「代償分割」と「換価分割」と「共有」です。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]山梨県で税理士やってるタナカです。
不動産は、分けずに「共有」することもできます。
しかし、「共有」は問題の先送り。あまり良い解決方法だとは言えないでしょう。[/speech_bubble]

 

 

換価分割とは

換価分割は、文字どおり、相続財産を「換価」して「分割」する方法です。
相続財産の全部もしくは一部をお金に変えて、そのお金を相続人の間で分けます。

公平に近づけることはできそうですし、とりあえずは、不動産などの分けにくい財産をもらえなかった相続人も納得してくれそうです。

 

具体例

たとえば、相続財産が親の実家(土地・建物)のみだったとします。
相続人は子ども二人(Aさん・Bさん)。

Aさんは亡くなった親(被相続人)と同居しており、そのまま実家に住むつもりです。
一方Bさんは持ち家があり、実家がほしいわけではありません。しかし、売ればお金になるので譲る気もありません。

結果、二人の話し合い(分割協議)により、自宅の土地の一部を売ることに。
そのお金をBさんがもらうことで幕引きとなりました。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]ただし「換価分割」には所得税がかかります。
不動産を売却して得たもうけのことを「譲渡所得」といい、その譲渡所得に所得税がかかってくるわけです。[/speech_bubble]

 

換価分割ではない例

土地は分けられないかというと、そうでもないケースもよくあります。
٩( ”ω” )و

たとえば、こんな風に分けたらどうでしょうか。

(注) 「=」←この部分は道路です(汗) 評価は「路線価方式」とします。

 

 

土地の評価方法には、「路線価方式」と「倍率方式」が代表的です。

路線価方式は「路線価×土地の面積」で計算されますが、上の図の「Aさん」部分のように、使い勝手の悪い土地は評価が安くなります。

これを使ってというわけでもないですが、考えかたとして、知っておいて損はないでしょう。
٩( ”ω” )و

ちなみに、土地を線引きせず、全体をAさん・Bさんの「共有」にしてしまうと安くなりません。
ひとつ目の真っ白い土地の状態で評価し、その評価額をAさん・Bさんがそれぞれ2分の1ずつ分けるだけ。
全体の評価額(相続税額)は変わりません。

 

 

代償分割とは

代償分割は、相続で多めに財産をもらった相続人が、相続財産少なめの相続人にお金を渡すことで不公平分をおぎなう方法です。

渡すお金は、「相続でもらったお金」でも「もともと自分で持っていたお金」でもかまいません。

贈与税もかかりません。
換価分割のように所得税がかかることもナシ。
٩( ”ω” )و

 

具体例1

もう一度この例でいきましょう。
٩( ”ω” )و
相続財産が親の実家(土地・建物)のみだったとします。
相続人は子ども二人(Aさん・Bさん)。

Aさんがすべて相続。
Bさんには、Aさんからお金を渡す。

被相続人から財産はもらっていませんが、Bさんにはもらったお金の分の相続税がかかります。

一方、Aさんが相続で取得した財産の評価額は、自宅の建物と土地からBさんに渡すお金をマイナスした額になります

 

具体例2

「代償分割」ですが、預金などにも使えます。
Aさんがすべて相続して、代償分割でBさんにお金を渡すということです。

実はこれ、メリットがあります。

相続が始まると、被相続人の銀行口座は凍結。
お金を引き出すためには、「分割の協議書」と「その口座のお金を相続する相続人全員の実印」が必要です(+印鑑証明も)。

でも、その口座を相続するのがAさんだけだったら、分割協議書とAさんのハンコだけで名義変更ができるんですね。
٩( ”ω” )و

相続人たちのそれぞれの事情によって、うまく使えそうです。

 

 

「共有」についてちょっとだけ

最後に、共有について少し。

相続財産が不動産ばかりであろうが何であろうが、すべてを共有にしてしまえば平等です。
不平等なのは1円単位の端数くらいです。

しかし一見平等に思える「共有」は、実は何の解決にもならないことがほとんど。

 

共有をさけたい具体例

相続財産が、土地ひとつ。
相続人は子ども三人です。

分けようがない、でも誰ひとり譲る気はない。
話し合い(協議)の結果、三人の共有となりました。
(分割できないまま、話し合いが平行線のまま、終わったのと結果は一緒です。)

それから時が経ち、その子供たちが亡くなる番となりました。
そうなりますと、土地の共有部分が、さらにそれぞれの子どもだちに相続で渡っていきます。
共有→共有をくり返すことになったりすると、顔も知らない遠い親戚どおしで共有することに。

いつまで経っても売ることもできず、勝手に使うこともできず。。
さらに名義変更をサボったりすると、将来の子孫に大きな迷惑となります。
(共有じゃなくても、相続人が名義変更をしないでいると孫世代がタイヘンなことになります。)

 

共有が使える具体例

共有が「つかえる」例として、物納が考えられます。
٩( ”ω” )و

ただし、物納は事前の準備が大事。
特に土地を物納にあてる場合は、早いうちから動いていないと、税務署に提出する書類が期限までに間に合いません。

物納にはさまざまな要件があります。
物納を考えるのであれば、早めに税理士に相談しましょう。

 

 

執筆後記

電子書籍リーダーとしてのスマホの良さが、最近ようやくわかってきました。
kindle、BOOK★WALKER、honto の3つですが、読みやすいようにアプリの設定をすればかなり良い感じに。
読者にとって嬉しい競争です。

昨日の一日一新

千田琢哉さんの本(「すぐやる」)

この記事を書いている人 - WRITER -

Copyright© よってけし!山梨県中央市タナカジムショ , 2017 All Rights Reserved.