ニガテを “半分、強い” に。山梨県中央市の税理士

【簿記超入門】普通預金と当座預金のちがい

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普通預金(通帳)はほとんどの人が一つは持っていますし、なじみのあるもの。
一方で、当座預金についてはなじみが薄く、サッパリなかたもいると思います。

今回は当座預金とは何か。
ついでに、会計処理(簿記の仕訳)も学んでいってください。
٩( ”ω” )و

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]山梨県で税理士として開業予定のタナカです。
お金を振り込むときなど、振込先の口座で「普通」か「当座」を選びますよね。
ほかでは見かけることすらない、多くの人に無縁な当座預金。
でも、軽く知っておいても損はないです。
(たぶん。笑)[/speech_bubble]

 

前回【簿記超入門】固定資産と減価償却

 

当座預金とは

  • 主に法人(会社)が持つ口座(個人事業主でもOK)
  • 小切手を振り出せる
  • 手形を振り出せる
  • 利息がつかない
  • 当座借越し契約により、残高が0円未満(マイナス)になることがある

 

 

普通預金との共通点

お金の出し入れは、普通預金と同じで自由です。

 

 

小切手を振り出せる、手形を振り出せる

売るために仕入れる商品や、事務用品などを買って、その支払いを現金ではなく、小切手や手形をつかって支払うことができます。
(コンビニとか、100円ショップ等ではダメですが。)

小切手による支払いのことを「小切手の振り出し」、
手形による支払いのことを「手形の振り出し」と言います。

反対に、その小切手・手形を受け取った側は、銀行の窓口でその小切手・手形を渡して、現金にかえてもらえます。

受け取り側が現金化すると、支払い側の当座預金から、小切手・手形に記載されている金額が減少します。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]手形には「支払期日」が書かれています。
銀行に持ち込んでお金を受け取ることができるのは、支払期日以降になります。[/speech_bubble]

 



[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]小切手にも支払期日が書かれている場合があります。
扱いは手形といっしょです。
ちなみに、支払期日が書かれた小切手のことを「先日付小切手」(さきひづけこぎって)といいます。[/speech_bubble]

 

 

小切手を振り出したときの簿記の仕訳

小切手を振り出した側(商品を仕入れ)
(仕入)××× (当座預金)×××

小切手を受け取った側(商品を販売)
(現金)××× (売上)×××

小切手を受け取った側の仕訳は、借方(左側)に現金勘定がきます。
これは、小切手はいつでも現金にかえられるものなので、現金と同じだろうという考え方によるものです。

そして、小切手を振り出した側の仕訳の貸方(右側)は当座預金勘定です。

実際に当座預金の残高が減少するのは、振り出した小切手が銀行に持ち込まれたとき。
しかし簿記では、小切手を振り出したときに当座預金の減少とします。
(近いうちに現金化されるでしょうからね。)

 

 

手形を振り出したときの簿記の仕訳と、その後の仕訳

手形を振り出した側(商品を仕入れ)
(仕入)××× (支払手形)×××

手形を受け取った側(商品を販売)
(受取手形)××× (売上)×××

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]手形を受け取った側は、その手形を銀行に預けます。
そして支払期日になると、普通預金などに入金となります。[/speech_bubble]

 

支払期日をむかえて、振り出した側は支払い、受け取った側は入金です。

手形を振り出した側
(支払手形)××× (当座預金)×××

手形を受け取った側
(普通預金)××× (受取手形)×××

 

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]先日付小切手は、期日にならないと現金化できないです。なので、扱いは手形と同じ。
それから、小切手と手形の現金化は手数料がかかります。[/speech_bubble]

 



[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]手数料がかかるので、受け取り側の仕訳はこうです。
(普通預金) ××× (受取手形)×××
(取立手数料)×××[/speech_bubble]

 

 

利息がつかない

なぜでしょう。
当座預金は利息がつきません。。
いちおう理由はありますが、知らなくても問題ありません。
(^_^;)

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]利息がつかない建て前(理由)は、いちおうあります。
わたしは詳しく知らないので書けませんが(汗)、もし誰かに聞かれたら「銀行法で決まっている」と押し切ってください(笑)[/speech_bubble]

 

 

当座借越し契約が不渡り防止になる

当座借越しとは

当座借越し契約をむすんでおくと、当座預金の残高がゼロでも、小切手や手形の支払が行われます。
その場合、当座預金の残高はマイナス表示されます。

このマイナス表示の状態は、銀行から借り入れをしていることと同じです。
もちろん、利息を支払わないといけません。

 

 

当座借越し契約なしのリスク

振り出した小切手や手形が、落ちなかったらどうなるでしょうか。
(「落ちなかった」とは、当座預金の残高不足により、小切手や手形が現金にかえられないことです。「小切手(手形)の不渡り」と言います。)

振り出した会社の信用はガタ落ちです。
(小切手や手形は落ちなくても。。)
取引先から「倒産」を疑われることは避けられません。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]6か月以内に二度の不渡りで、銀行取引停止となります。
不渡り一回で財務状態の悪さが世間にばれる→やっぱり倒産
というケースが多いので、世間の信用を失うには一回で十分です。[/speech_bubble]

 

 

うっかりミスでも信用は失墜→転ばぬ先の当座借越し

以上の理由もあって、当座借越し契約というものが利用されています。

当座預金の残高がマイナスになっても、仕訳は次のとおりで問題ありません。

(仕入)××× (当座預金)×××

ただし、決算で作成する貸借対照表(B/S)には借入金の存在を反映させる必要があります。
なので、当座預金のマイナスの数字を0(ゼロ)にする仕訳をたてます。

(当座預金)××× (借入金)×××

これで当座預金の残高は0に、
当座預金にマイナス表示されていた数字は、借入金として貸借対照表(B/S)に反映されました。

 

 

 

さいごに

以上、いかがでしたでしょうか。

取立手数料のはなしがオマケのようになってしまいましたが、小切手・手形を現金化するには必ずかかります。

ちなみに、小切手の場合の仕訳は次のようになります。
(受け取り側)

(現金) 95 (売上) 100
(取立手数料)    

 

日商簿記検定だと、3級・4級あたりで出題されそうな論点です。

実務でも、小切手や手形を使う会社はあります。
(少ないですが。)

知っておいて損はないでしょう。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]紙ベースのものは今後減っていくと思います。
ただ、電子ベースの手形は残るでしょう。[/speech_bubble]

 

 

執筆後記

昨日、中1か月で kindle Unlimited に戻りました。
読み放題対象で、良さそうな「ブログの本」があったからです。
それから「家族信託の本」を数冊。

昨日の一日一新

「家族信託」の本をDL。

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