ニガテを “半分、強い” に。山梨県中央市の税理士

生前贈与・遺言書など 相続対策に一冊読んで考えてみませんか

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「相続はお金持ちだけの問題」、でしょうか。

相続税の申告書の提出すら求められない相続のほうが、むしろ「争続」になっている現状があります。

「そんなこと言われても、何をしたらいいか分からない」

という方がほとんどだと思います。
でも、「分からない」から、「分かりたい」に変わるだけで、大きな一歩です。

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]山梨県で税理士やってるタナカです。
亡くなった方が生前に何もしていないと、残された家族は大変です。
財産をしらべる、債務をしらべる。それが終わったら「争続」があるかもしれない。
ドラマの中だけの話しではありません。[/speech_bubble]

 

前回相続対策ばかりに目がいくと老後の生活がつまらないものになるかも。。相続対策は無理のない贈与で!

 

「争続」はお金持ちだけの問題ではない

「相続」と聞くと、相続税がかかる人(お金持ちの人)だけのものというイメージがあります。
テレビドラマで「争う」という字をつかった「争続」というのも、一般的に使われるようになりました。

ところで、平成27年から、相続税の基礎控除額というものが下がっています。

相続税の基礎控除額は次の算式で計算されます。

3,000万円+600万円×法定相続人の数

ちなみに平成26年までは「5,000万円+1,000万円×法定相続人の数」でした。
平成27年1月1日以降、基礎控除額は4割も減ったわけですね。

 

相続財産の総額が基礎控除額以下であれば相続税はかからない

たとえば、亡くなった人(被相続人といいます。)に子どもが二人(相続人といいます。)いたとしましょう。
相続税の総額は、

3,000万円+600万円×2人=4,200万円です。

被相続人が残した財産は自宅(評価額500万円)と、その土地(評価額3,500万円)のみ。
評価額の合計は4,000万円。
基礎控除以下の評価額であるため、相続税はかかりません。
(相続税の申告書の提出も必要ありません。)

さて、ここで問題です。
相続税がかからなければ、「争続」にはならないでしょうか。

 

相続税が0でも「争続」は無関係ではない

ここ数年の家庭裁判所の遺産分割調停は、遺産総額5,000万円以下の案件がもっとも多く、次いで遺産総額1,000万円以下の案件となっています。

上の例のように、分けようのない財産が大半を占めるような相続は、もめます。。
(遺言書がなければなおさら、現金など分けやすい財産が少なければなおさら。)

資産家ではなく、ごくごく一般的な家庭にも起こることです。

被相続人が生前に何もしていないと、相続をキッカケに、それまで良かった兄弟姉妹間の仲が悪くなることもあるほど。
(もともと仲が悪いと最悪です。)

  • 財産がない=争いにならない
  • 自分の「死」を考えられない
  • 遺言書は「まだ早い」、「いつかそのうち」

残念ながら、このように考えている方が多いです。
なにかの拍子(ひょうし)に、相続に関係する本を手にとって、考えてくれることを祈ります。

 

資産家とよばれる人たちの相続対策

わたしが税理士資格を取る前に勤務していた事務所のお客さんですと、資産家の人ほど、ご自身が亡くなったあとのことを考えています。

毎年、自分の会社の株価を算出して、息子さんに贈与(あるいは、「息子+孫」に贈与)するなど。

税理士に頼めばもちろんお金がかかりますが、生前にできる対策は選択肢が広いです。
結果、「争続」もなく、結局のところ余計な相続税を払うことがない結果に落ち着くはずです。

 

銀行口座の凍結

いちばんやっかいなのが、預金の凍結でしょうか。。

  • その口座のお金から生活費を支払っている
  • その口座から葬式費用を払いたい

場合などは、とくに大変です。
お金の引き出しは、相続人全員の同意が必要ですからね。。
(相続人のうち、誰かひとりでもOKしてくれなかったらダメ。)

公正証書遺言に遺言執行者の指定があれば、口座凍結がとけるのが早いです。
(遺言執行者がすぐ動けるから。)

自筆証書遺言は、発見後に家庭裁判所に持ち込んで、検認を受けないといけません。
(公正証書遺言は「検認」の請求は不要です。)

 

 

本を一冊読むだけで、かなりつかめる!

少々ややこしいことを長々と書いてしまいました。
(少しでも興味をもっていただけたらうれしいです。)

そんな流れで、「自分に関係なくはないんだな」と思った方は、一冊読んでみてはいかがでしょうか。

書店に足を運べば「相続コーナー」がありますし、Amazonなどのネット書店でもたくさんの相続の本が見つかります。

どの本でもいいと思いますが、迷ったら書店の平積みされている本が間違いないでしょう。
出版された日も割と新しいはずです。

“誰が書いた本がいいか”ですが、わたしの職業がら、「税理士」が書いた本がいいと思っています。
それから、「行政書士」が書いている本もいい本がおおいですね。

「何でもいい」と書きつつ、いちおう、わたしが最近読んだ中で良かった本を3冊紹介させていただきます。
٩( ”ω” )و

 

お金の終活

いちばん最近読み終わったこちらの本。少々厚めの本ですが、わかりやすいと思います。
(↓kindle Unlimited 読み放題対応です。著者は行政書士です。)

  • 生前の贈与
  • 遺言書(公正証書遺言)を残すこと
  • 遺族に気持ちを残すこと

など、まさに「終活」(しゅうかつ)の本です。
生前対策がメインですね。

著者も書いていますが、相続財産は亡くなった人の財産。
亡くなった後に誰にあげるか、持ち主が決めてくれればもめにくいです。

生前の贈与だったら、目の黒いうちにあげたい人に渡せる。
贈与は、相続財産からの切り離しになります。(一部を除いてですが。)

 

他人に話したくなる相続の話―誰も教えてくれない相続のオモテとウラ

相続の具体的な例が盛りだくさんで、それぞれのケースに応じた遺言書の書きかたも載っている本です。
(こちらもkindle Unlimited 対応。著者は弁護士です。)

頭から読むとそこそこボリュームあります。
なので、ご自身に想定されるケースから読んでみるのがおススメ。

「愛人に財産を残したいときの遺言書」、「ペットに財産を残したいときの遺言書」など、なかなか興味深く読めました。

遺言書の書きかたが載ってはいるのですが、お金と時間はかかっても、「公正証書遺言」をおススメします。(自筆証書遺言はおススメしません。)

 

相続でモメずにお金を残したいなら「この順番」で進めなさい

税理士らしく、「生前の対策」から「相続で有利になる規定」まで、幅広く書かれています。

  • 元気なうちに財産目録をつくる
  • 相続の準備には正しい順序がある
  • 「争続」は(お金持ち家庭でなく)一般家庭で起こっている

など、相続は誰にでも関係するものであり、準備も必要だとわかりやすく教えてくれます。

 

 

さいごに

いかがでしたでしょうか。

生前にできる「贈与」・「公正証書遺言の作成」など、今後もブログには書くつもりですが、正直なところ本にはかないません。

本から学ぼうと思えば、誰しもまとまった時間集中して読もうと思うからです。
もちろん、スキマ時間で少しずつでも、読まないよりぜんぜん良いですよ!

[speech_bubble type=”fb” subtype=”L1″ icon=”ORE.png” name=”タナカ”]逆に、「子」の立場から親にお願いするのはなかなか難しいです。
亡くなることが前提の話しですからね。
「やってみようか」と思ってもらえるキッカケになると嬉しいです。[/speech_bubble]

 

執筆後記

税政連から電子証明書の申請案内が届きました。
「どうやって申請するんだろ…」と、これから探そうと思っていたところだったので良かったです。
いいタイミングで届いてくれました。

昨日の一日一新

「統計リテラシー」の本

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